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心理的ストレス・経済的負担「不妊治療に理解を」 八代市でセミナー |
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| 体外受精など不妊治療の経験を語るパネリストら。右は主催者の片岡明生医師=八代市
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生殖医療の進歩に伴い、体外受精など高度な不妊治療に取り組む女性が増えている。毎年百万人を超える新生児のうち、体外受精による出生は1・6%。これまでに十万人以上が誕生しているが、あまり知られていないのが不妊治療をしている女性の心理的ストレスだ。八代市であった熊本生殖医療研究会主催のセミナーでは、体外受精を経験した女性が体験を発表。不妊治療への理解を呼びかけた。
発表した女性は、Aさん(40)=八代市、Bさん(42)=宇土市、Cさん(31)=八代市=の三人。いずれも体外受精で出産した主婦だ。
■「年齢的な問題」
不妊治療で最も悩んだことについて、Aさんは「年齢的な問題」を挙げた。「治療にとりかかったのが三十代半ばに差しかかった時期。どれくらい治療期間が残されているのか、期間内に子どもが授かるのか、不安だった」
Aさんは体外受精に至るまでに人工授精を計九回行った。人工授精を繰り返しても、妊娠には至らず、年齢や費用だけが重なっていく現状に「この先どれくらいお金をかけることができるのか」悩んだという。
十四回の人工授精をしたBさんは、「治療のたびに妊娠するかもしれないという期待と、妊娠判定の日にまただめだったという落胆の差が激しく、心身のバランスを崩した」と打ち明けた。突発性難聴になったり、原因不明のめまいに襲われたこともあったという。
子宮外妊娠や流産を複数回経験したCさんは、治療中と周囲に言えず、「夫にばかり八つ当たりした。結果的に助けてくれてよかったが、ずっと子どもは無理なんじゃないかと悩んでいた」と述べた。
Aさんも当初は周囲に打ち明けておらず「よく『子どもさん、まだ』『できないの』『つくらないの』と言われ、精神的におかしくなった」と述べた。「夫と話し、自分から『不妊治療を受けている』と明かすことにした。勇気は必要だったが、楽になった。不妊治療自体は悪いことではないし、特別なことでもないので、隠す必要はない」とアドバイスした。
■足りない助成
体外受精など高度不妊治療には、県や熊本市の公的助成制度があり、近年内容も拡充している。保険が適用されず、一回当たり三十万円前後と、高額な費用がかかるためだ。三人の女性からも経済的負担に対する意見が相次いだ。
「助成制度は利用したが、金額は全然足りなかった」とAさん。「体外受精などの不妊治療が長引けば、たとえ制度が拡充しても足りなくなる。助成金の形ではなく、保険を適用してほしい。自分の友人を含め、金銭的問題で途中で不妊治療をあきらめる人もいる」。Cさんも「保険が使えれば、もう少し治療を受ける人も増えるのでは」と述べた。
熊本生殖医療研究会の代表、片岡明生・片岡レディスクリニック理事長は「偏見などを恐れ、不妊治療を受けていると周囲に言えない人は依然多い。不妊治療は決して特別なことではなく、治療が受けやすい環境づくりを今後も進めていきたい」と述べた。(田端美華)
(熊本日日新聞2008年6月14日付朝刊)
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