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乳がん検診・乳房X線検査 早期発見に力
熊本市医師会ヘルスケアセンターが今年導入した最新型のマンモグラフィー。乳房を上下に挟んで撮影する
市町村が実施する乳がん検診で乳房エックス線検査(マンモグラフィー=MMG)が成果を上げている。5月から導入した熊本市でも、視触診で見落とされたがんを発見したケースも。しかし、MMGの導入で期待された受診率の向上は進んでおらず、新たな対策を迫られている。(岡本幸浩)
乳房を挟んで撮影するMMGは視触診に比べ乳房温存に不可欠ながんの早期発見が望め、欧米では受診率が約70%にも上る。国内では昨年、厚労省が40歳以上の女性に視触診とMMGの併用による検診を推奨。県内でもMMGによる検診が広がり、昨年度まで視触診だけだった熊本市も市医師会と県総合保健センターに事業を委託して国の指針に沿った検診をスタートさせた。
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3400人受診
同市によると、今年度の受診対象者は事業所検診などを受ける人を除いた約10万2700人。そのうち5―9月の5カ月で3400人あまりが受診した。受診者のうち、視触診かMMGで精密検査が必要と判定されたのは388人(市医師会受託分のみ)。この中で精密検査を受け、乳がんと診断された人がこれまでに17人いるが、そのうち3人は視触診では「異常なし」だった。
同市では過去の検診でも視触診で見落としたと思われるケースがあったという。市医師会によると、がんと診断された17人は実質的に7月までの3カ月間の判明者で、最終的に42人を見つけた昨年度を上回るペースで発見していることになる。
一方で、視触診の有効性も無視できない結果が出ている。MMGの診断は「異常なし」から「悪性」の五段階で評価されるが、最終的にがんと診断された17 人のうち2人はMMGでは異常を示す判定はされず、 逆に視触診で「異常あり」だった。市医師会は「視触診とMMGの併用で発見精度が高まった」と併用の効果を説明する。
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昨年度と同水準
一方、同市の受診対象者に対する受診者の割合は年々低下。昨年度は7・2%まで落ち込んだ。MMGの導入で受診者増が期待されたが、現在のところ昨年とほぼ同じ水準で推移。今年度の受診率27%という目標に対し、このままでは受診者は約8300人、受診率は8・0%にとどまる見通しだ。
受診率が上がらない理由の一つに自己負担の増額があるとみられる。従来、自己負担は一律500円だったが、MMGを二方向から撮影する40歳代は1500円、一方向の50歳以上は1100円に引き上げられた。
また、同市内で視触診とMMGを同時に受診できる検診機関は10機関に限られ、それ以外は医療機関で視触診を受けた後、市医師会ヘルスケアセンター(同市本荘)でMMGを受ける仕組みになっている。しかし、受診の二度手間が敬遠されているとみられ、受診者の77%が10機関に集中。ヘルスケアセンター利用者は当初見込みの半数程度にとどまっている。
さらに、昨年度30歳代で3人のがんが発見されたのに今年度から30歳代が検診対象から除外されたことを疑問視する声もある。
こうした実態について「今年度の課題を分析した上で、改善できるところは検討していく必要があると考えている」と市高齢保健福祉課。市医師会の山口卓雄理事は「MMGが成果を上げていることは間違いない。がんの早期発見には受診者を増やすことが大切。その視点に立った検診体制が必要だ」と話している。
(熊本日日新聞2005年11月2日付朝刊くらし面)
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