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| 腹膜透析 働きながら1日4回交換 |
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腎不全で人工透析を受ける患者が年々増加し、今年は二十二万人に達した。現在、透析患者の約95%が血液透析、残る5%弱の約一万人は腹膜透析(CAPD)。週何回かの通院が必要な血液透析に比べ、腹膜透析は自宅でできて社会復帰も容易だ。ただ認知度がいまひとつで普及度は低い。
一般に人工透析といえば血液透析を指す。患者は週三回、専門病院などで体外に引き出した血液から老廃物を取り除く。一回四〜五時間かかる。慈恵医科大腎臓・高血圧内科の中山昌明講師は「多くの人が利用できるシステムとして、かなり完成されてきている。しかし平日は夕方まで働かなくてはならない青壮年期の患者など、システムに乗り切れない人たちもいる」と話す。
一方、腹膜透析は自宅や勤務先で一回三十分ほどで透析ができる。胃や腸などの内臓を覆う腹膜には腎臓の代わりになるろ過作用がある。治療は、腹部に細いカテーテルを埋め込んでおき、二リットルの透析液を腹膜内に入れ、通常一日四回入れ替えて老廃物を除去する。
大がかりな機械がいらず、机に座りながら自分で透析液のバッグを交換できる。その人に合わせて小型の補助機械を使うと夜だけとか、午後だけとかも可能で融通が利く。体への影響が少なく、合併症や体力のない患者にも向いている。血液透析に比べ、食事制限も緩やかという。
腹膜透析歴十年の熊本市の男性会社員(45)は「サラリーマンとして仕事を優先したかったので、自分でやる方法を選択した」と話す。起床後まず透析液を交換、食事をして出勤し、別室で昼休みに二回目、夕方に三回目。寝る前に自宅で四回目という毎日。「残業はもちろん、休日も自由に動ける。レジャーに出掛ける時は車の中で透析をする。自己管理するため体調にも気を付け、生活ペースが乱れない。本当に腹膜透析を選んでよかった」。男性は深夜の勤務もこなしている。
ただ腹膜透析の短所の一つは、個人によって異なるが五―六年で腹膜機能が落ちる点だ。そうなると血液透析に移行することになる。最近、テルモなど四社が腹膜機能の劣化を防ぐ中性の新透析液を発売。腹膜透析と月一〜二回程度の血液透析の併用という治療法が、腹膜機能の維持に効果を上げている。
(熊本日日新聞2002年10月8日夕刊掲載)
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