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過活動膀胱 薬物、運動療法で改善
 トイレへ急に行きたくなったり、排尿を我慢できなくなる。そんな症状を訴える人が、中年女性を中心に増えている。「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」と呼ばれる病気だが、膀胱の粘膜の知覚過敏が原因という説が最近、有力になっている。

 日本排尿機能学会が二〇〇三年、全国の一万人を無作為に抽出した調査では、日本の四十歳以上の12・4%、八百十万人が過活動膀胱と推計された。尿意切迫感や頻尿が特徴で、不眠など日常生活に支障を来たしたら、この病気とされる。

 膀胱は、尿道括約筋という筋肉が出口をしっかり閉めており、尿がたまっても漏れない。膀胱内の尿量が百五十ミリリットルを超えたころから尿意を感じ、排尿の際は排尿筋が収縮し尿道括約筋がゆるんで出口が開く。ところが過活動膀胱は、あまり尿がたまらなくても、排尿筋が収縮し尿意が強くなり我慢できなくなる。

 熊本大付属病院(熊本市)の吉田正貴助教授(泌尿器科)によると、過活動膀胱は、脳梗塞(こうそく)やパーキンソン病、脊柱管狭窄(きょうさく)症といった病気に起因する神経性型と、それ以外の特発性型がある。二つの型の比率は二対八。特発性型が圧倒的に多い。男女比は特発性型で七対三。女性に多い。

 原因は不明だが、最近は膀胱の内膜が何らかの物質に対し知覚過敏になっているという考えが主流になり、いろんな薬剤が開発されている。薬は、アセチルコリンという副交感神経の働きを抑制する神経伝達物質を遮断する抗コリン剤というタイプ。排尿筋の収縮を抑える作用を持つ。吉田助教授は「根治療にはならないものの、薬で患者の約70%は改善する」と話す。ただ副交感神経の働きを抑えるため、口渇や便秘などの副作用が出ることも。

 薬物療法以外では、「膀胱訓練」という運動療法がある。トイレに行きたくなったら我慢してもらい、その我慢する時間を五分、十分、十五分と徐々に延長する。尿意という心因性に着目し、症状を抑える方法だ。くしゃみなどで尿漏れする腹圧性尿失禁を防ぐ訓練を応用する方法もある。骨盤底筋という筋肉を鍛える。薬と運動療法の併用も少なくない。

 しかし残尿の多い人が過活動膀胱になれば厄介だ。抗コリン薬で尿が一層出にくくなる可能性があり、事前に薬が適するか検査する。場合によっては、残尿の緩和を優先的に治療する。吉田助教授は「過活動膀胱は生活の質を著しく低下させる。早めに専門医を受診してほしい」と話している。

 (熊本日日新聞2005年3月2日夕刊掲載)

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