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間質性ぼうこう炎増加 水圧拡張術で改善も/正しい診断重要に
ぼうこう鏡で見た水圧拡張術を行う前(上)と後(下)の間質性ぼうこう炎患者のぼうこう。拡張術後は炎症部分がひび割れ出血している(伊藤貴章東京医大八王子医療センター准教授提供)
 尿がたまると下腹部が痛み、トイレの間隔は近く、抗生剤も効かない間質性ぼうこう炎の患者が増えている。昨年、診療ガイドラインができるなどして認知度が上がってきたためとみられるが、病名を知らず適切な治療を受けていない患者もいる。ぼうこうに水を入れて膨らませる水圧拡張術で症状が改善することもあり、専門医の受診が欠かせない。

▽女性が男性の6倍

 間質性ぼうこう炎は、ぼうこうの粘膜と筋肉の間にある間質が硬くなる病気。細菌感染が原因のぼうこう炎と違って、抗生剤の服用では治らず、症状は徐々に進行する。原因としてアレルギーとの関連も指摘されているが、はっきりとは分かっていない。東京医大八王子医療センター(東京都八王子市)の伊藤貴章准教授(泌尿器科)は「ぼうこうが十分に膨らまないため、常に尿意があり、尿がたまると痛みや不快感が生じる。重症だとトイレが一日数十回になることもある」と言う。

 患者は女性が男性の六倍程度で、国内の患者は十万人とも二十万人ともいわれるが「(高血圧や糖尿病のように)検査値で判断できる病気とは違うので、実態把握は難しい」と本間之夫東京大教授(泌尿器外科)。

 診断はまず、問診で尿の量や回数、痛みの有無を確認。尿検査や超音波検査などで、細菌感染によるぼうこう炎、がん、急に尿意が起き痛みはそれほど強くない過活動ぼうこう、男性なら前立腺炎など、他の病気の可能性を排除しながら絞り込んでいく。最終的には、麻酔をかけて尿道から入れるぼうこう鏡(内視鏡)で出血や潰瘍(かいよう)を確認して判断する。

▽検査と治療兼ねる

 ぼうこう鏡検査の際に、生理食塩水を注入してぼうこうをいっぱいに膨らませる水圧拡張術は、治療も兼ねている。注入の三〜五分後に水を抜くと、炎症部分がひび割れて出血し、これが診断の決め手になる。

 「硬くなったぼうこうを物理的に広げるだけでなく、正常な粘膜の再生を促す効果があり、半数の患者は症状が改善する。治療の第一選択」と伊藤准教授は説明する。

 半年から一年で元に戻ることが多いが、痛みの伝達を妨げる三環系抗うつ薬の内服や、DMSOという試薬のぼうこう内注入などの治療法と組み合わせれば、効果の持続も期待できる。

 患者も、ストレスをためない生活や、アルコールやカフェイン、トウガラシなど刺激物をとらないこと、などの注意点を守る必要がある。

 外科手術は一般的でなく「症状がよほど進行して、ぼうこうがガチガチでもない限りは、しない」(伊藤准教授)。

▽理解ある医師に

 伊藤准教授によると「一番重要なのは正しく診断されること」。間質性ぼうこう炎を知らず「気のせい、年のせい」「我慢して」と患者に言う医師は、いまだにいる。

 決定的な治療法がなく、長年症状に悩んでいる患者が多いため「病気を知っていても診療を嫌がる泌尿器科医がいる。病気に理解のある医師にかかること」と本間教授はアドバイスする。

 診療に当たることを表明している医師の情報は「日本間質性膀胱(ぼうこう)炎研究会」がホームページ(http://sicj.umin.jp/)に掲載。患者会「ともの樹」(http://www.tomonoki.org/)でも相談に乗っている。ともの樹は(電)080(5349)4976、平日の午後一〜五時。 (共同通信 影井広美)

(熊本日日新聞2008年5月31日付朝刊)

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