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臓器移植 進まぬ日本 コーディネーター教育を
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県内の移植医療に携わるコーディネーターが参加して開かれた研修会の会場=南阿蘇村
講演したWHO臓器移植委員会委員の篠崎尚史さん
県内の移植医療に携わるコーディネーターを対象にした研修会がこのほど阿蘇郡南阿蘇村で開かれ、世界保健機関(WHO)臓器移植委員会の篠崎尚史委員が「世界から見た日本の移植医療」と題して講演、停滞する国内の移植医療の打開策について提言した。
(※講演の模様は、動画で見ることができます)
篠崎さんは臓器移植法運用にかかわる第三者評価機構の委員などを歴任。現在、東京歯科大学市川総合病院眼科・角膜移植センター長、日本臓器移植ネットワークの移植コーディネーター委員会委員などを務めている。
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実践研修で徹底
人口100万人当たりの日本の臓器提供者数は0・5(2002年)と世界最低水準。欧米は高水準で、特にスペインは33・7(同)と突出しているという。ここまで押し上げている要因に篠崎さんはコーディネーター教育を挙げる。
篠崎さんによると、スペインではコーディネーターへの実践的な研修プログラムを10年ほど前から整備。現在は初級からマスターまで6コースがあり、最終的には医師に助言を与えられるレベルまで養成するという。
「脳死患者の家族にどのタイミングで誰がどう説明するかで、臓器提供率は大きく変わる。マネジメントが悪くて提供されないのを避けるため、スペインでは徹底した教育がされている。(悲嘆にくれる人に対して行う)グリーフケアの未熟さが、日本で移植医療が進まない原因の一つではないか」と篠崎さんは分析する。
日本とヨーロッパの医療従事者に行ったアンケート結果の違いが、それを裏付ける。「臓器提供の意思を家族に確認する際ストレスを感じるか」の問いに、「ない」と答えたのはヨーロッパの52%に対し、日本は16%で、「ある」は33%、「分からない」が51%もあった。臓器提供に関する研修については、ヨーロッパは30%が受講していたが、日本はわずか6・7%だった。
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受け入れ拒否も
さらに、日本では医療従事者が臓器提供に対する一般社会の認識や待機患者数といった実態を十分に把握していない調査結果も示された。
こうした状況を踏まえた上で篠崎さんは「日本もスペインのような教育システムを築くことが重要」と強調。さらに「地域や各医療機関の状況に応じたマネジメントのスタイルを探り、必要な資金や道具があれば臓器移植ネットワークが提供する仕組みを考えるべき」と指摘した。
また、1997年に施行された臓器移植法で15歳未満の臓器提供は禁止しているのに移植を受けるための海外渡航は認めていたり、臓器提供意思表示カードの携帯義務はないといった日本の事情は「国際社会で理解されづらい」と篠崎さん。
そうした実情に国内では「仕方ない」といった考えが強いが、海外で日本人の移植手術を拒否する医療機関も出ており、国内での移植医療の比重がより重くなっている。篠崎さんは「このままではいけない。単に臓器提供数が増えればいいというものではないが、国民が移植に理解を深めるのと同時に、医療従事者は智恵を出し合い高いハードルを越えていかなければならない」と呼び掛けた。(岡本幸浩)
※篠崎尚史さんの講演の模様は、動画でご覧になれます。
(→→動画を見る
)
(熊本日日新聞2006年1月4日付朝刊)
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