3大生活習慣病やこころ、こどもの病気など、最新治療法や先端医療の現状をお伝えします。
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命をつなぐ移植医療〜臓器移植(4)
性感染症に危機感
ところで、移植とは、関係ないようですが、性感染症についてお話ししましょう。性感染症が若い人たちにどんどん増えています。昨年12月に、旭川医科大の大規模調査の結果が発表されたのですが、ある県の高校生男女約3190人のうち、16歳の女子の4人に1人がクラミジアにかかっていました。また、感染していた本人は全員自覚症状がなかったというデータが出ています。
「黄色い羽根募金運動」の募金箱。県内の医療機関や開業医、薬局などに置かれ、移植医療への協力を呼びかけている
クラミジアは、エイズとは違って命に別状はなく、ちょっとむずむずして、あれ変だなと思っていたら、そのうち感じなくなるような病気です。でも気づかず、ちゃんと治さないから、次々に広がってしまいます。クラミジアは、ほっておくと不妊症の原因になります。今、少子化が進んでいるのに、これから子どもを産んでもらう若い女性がたくさん感染しているのは、ゆゆしき問題です。少子化が進み、高齢者がどんどん増えて、下支えする若い人たちが減るばかりですから。
いのちへの優しさと思いやりを
移植医療も、そういう医療全体、社会保障全体から考えていかなければいけません。移植医療は、どうしても末端のものなので、県民の「いのちへの優しさと思いやり」というやさしい気持ちを土壌に、「福祉」という大きな木を育ててこそ、端っこの葉っぱにある移植医療も進んでいくのではないかと、最近ひしひしと感じています。
移植医療に携わる人材を育てていくことが大事ですが、県内36の公的病院に、院内移植コーディネーターを設けて、研修などを行っています。そうしたキーになる人たちが育っていく中で、一般の人たちにも臓器移植についての知識がどんどん広がっていくように願っています。熊本県からも、予算をつけていただいて、私が臓器移植コーディネーターを務めるなど、移植医療の推進や普及啓発を進めています。移植医療のことを周りの人たちに広めていただき、あなたの大切な人にカードを渡してあげてください。
また、熊本県角膜・腎臓バンク協会と、移植を受けた「熊本県移植者の会」は、「黄色い羽根募金運動」を続けています。今年2月に九州初の心臓移植が九州大学で行われましたが、移植を受けた人は、熊本県出身の男性でした。しかし、九州大が独立行政法人化して、医療費が全額自己負担になってしまいました。横浜の方からジェット機で心臓を運んできて、ジェット機のチャーター代や移植後のいろんな費用で、合わせて2000万円が必要になりました。
そういう方たちに、少しでも助けになればと始まった「黄色い羽根運動」です。県内の医療機関や開業医、薬局などにも黄色い募金箱を置いていますので、ぜひ協力をよろしくお願いします。
※ 2005年10月31日に熊本市で開かれた骨髄バンクと臓器移植推進月間の記念講演会の内容を再構成しました。(高本文明)
(くまにちコム「健康・医療」2005年11月20日付)
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