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 腹式呼吸             きょうの発言 西村真理子さん(8)
 小学校の時、音楽の先生から歌を歌う人は息を吸うときにおなかを膨らませると聞き、やってみたがとても難しかった。それがいつのころからか意識せずに腹式呼吸をしている。

 中学時代は陸上部でハァハァと肩で息をしていた。当時は自分に自信がなく、プレッシャーにも弱かったので監督が一生懸命にほめてくれても練習は嫌だし、試合は出たくないし、今思えば暗い毎日であった。好きな先輩に思いを込めたまなざしを送っていたつもりだったのに、「何でお前はそがん目でおればにらむとや」と言われ、ますます落ち込んだものだ。

 高校に入り、へん平足だから走るのは無理とマネジャーに転向した。そして走ることを楽しむことにした。選手にタイムを知らせたり、気合を入れたりで大声を出す機会が増え、熊本市の水前寺競技場の端から端まで声が届くようになってしまった。このころから腹式呼吸が自然と身についたようだ。そして精神的にずいぶん落ち着いたように思う。

 今、リラクゼーションが大流行だ。深く腹式呼吸することで精神的に安定し、筋肉の緊張が和らいでリラックスできる。体のすべての感覚から解放され心が空っぽになると、不思議なことに良い考えがひらめいたり忘れていたことを思い出したりもする。

 私の母方のじいちゃんはいつも言っていた。「へその下の丹田(ツボの一つ)に力を入れれば暑さ寒さも苦にならん!」。じいちゃんのあの存在感は肝が据わっていたからに違いない。

 私も以前は人前で話をすることなど到底無理だと思っていたが、腹式呼吸で副交感神経が優位になるのだろう、あがらなくなった。それに腸をいつも動かすから便秘もしない。

 ぜひ、お勧めする。 (県臓器移植コーディネーター)

 (熊本日日新聞2005年8月24日付夕刊「きょうの発言」)
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