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発祥の地
きょうの発言 西村真理子さん(7)
熊本県は日本赤十字社発祥の地なのをご存じの方も多いだろう。西南の役の田原坂の合戦の際に、佐野常民が官軍も薩軍も敵味方の区別なく負傷者を救護し博愛社をつくった。それが後の日本赤十字社である。
「発祥の地ならばそれらしいことをしなければいけない」と、経営面などで厳しかった熊本赤十字病院を現在のように国際救護に日本一頑張っている病院に立て直した松金秀暢名誉院長は「人道・博愛・奉仕の実践」が口癖で、現在も「赤十字に燃える」と題した講演を各地で行っておられる。
熊本は日本のアイバンク運動も発祥の地だ。というのは、潮谷義子知事の義父、故潮谷総一郎先生が1956(昭和31)年に「熊本眼の銀行」を全国に先駆けて設立され、2年後にこの趣旨や構想を参考に「角膜移植に関する法律」が制定されたからだ。当時200人を超す献眼の登録を集め、角膜移植も1件行われたそうだ。その後、全国各地でアイバンクがつくられたが、熊本の活動は一時停滞してしまう。
79年に財団法人熊本県アイバンク協会として復活するのには、関係者の大変なご苦労があった。アイバンク運動はヘレン・ケラーの呼びかけに感動したアメリカのライオンズクラブから始まったそうだが、熊本では人吉の眼科医故竹田卓哉先生が熊本ライオンズクラブの工藤正孝さんとともに各地を普及啓発に駆け回って活動を盛り上げられた。竹田先生は残念ながら先日亡くなられたが、最後までアイバンク運動に情熱を傾けておられた。ご冥福をお祈りする。
現在、熊本の移植医療は低迷している。問題も複雑で容易ではないが、熊本には潜在的にいのちへのやさしさと思いやりを育てる土壌があると思う。みんなで考えてみませんか。 (県臓器移植コーディネーター)
(熊本日日新聞2005年8月17日付夕刊「きょうの発言」)
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