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 痛くも痒くもない病気    きょうの発言 西村真理子さん(4)
 移植が必要な病気というと苦痛を伴う難病のイメージがあるが、実は最も多い原因は痛くも痒(かゆ)くもない病気である。血糖値が高いとか、血圧やコレステロールが高い、ちょっと太りすぎではという状態で、本人にとっては痛くも痒くもないので医師に注意されても重く受け止めないのが人情であろう。

 高血糖、高血圧、高脂血症、肥満の状態は「死の四重奏」といわれ、放っておくと血管や神経がだめになり再生は難しい(メタボリックシンドロームという)。この取り返しのつかない状態をきちんと理解することこそ、生活習慣病の予防につながると思う。しかしなかなか進まないのが現状で、厚生労働省は手を替え品を替えて国民に訴えているのに効果がない。それどころか、生活習慣病の患者は増える一方だ。

 私自身、白状すれば病院薬剤師時代はそれほど危機感を持ってはいなかった。移植コーディネーターとして透析患者さんに接して、生活習慣病を予防しなければ日本は滅びるという気がしている。

 というのも、腎臓移植を希望して登録している人は全国に1万3000人ほどいるのに、献腎移植を受けられる人はそのうちの100人に1人くらい。それに対し透析患者さんは毎年1万人ずつ増えている。細かく見ると毎年1万5000人が死亡、2万5000人が新たに透析を導入されている。そのうちの4割、1万人は生活習慣病が原因というのだ。

 提供は少ないのに移植が必要な人はどんどん増えている―。臓器提供の推進と合わせて生活習慣病の予防も急務で、その推進に私も力を尽くさなければならないと思っている。

 多くの人に血液が体の隅々までサラサラと流れる、健康な血管を目指してもらいたい。 (県臓器移植コーディネーター)

 (熊本日日新聞2005年7月27日付夕刊「きょうの発言」)
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