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 心の疲れ           きょうの発言 西村真理子さん(12)
 来年のトリノ冬季オリンピックのアルペンスキー回転競技で、佐々木明選手が日本人として50年ぶりにメダル獲得の可能性があるらしい。

 頭角を現す前の彼は持久力不足で最後の局面にミスを連発していた。その原因は疲れである。テレビ番組で、疲れの指標である血中乳酸値について一流選手と彼の時間ごとの変化が示されていたが、後半、彼の値は一流選手のそれを大きく上回っていた。そこで疲れにくい体を作るトレーニングを始め、メダルが狙えるところまできたそうだ。

  体の疲れは、病的なものを除けば休養をとったりトレーニングを積むことである程度は回復するが、心の疲れとなるとそう簡単にはいかない。放っておけば、うつ病などに。最悪、自殺ということにもなる。これだけは避けたい。交通事故の死亡者は年間1万人を切ったというのに、自殺者は3万人を超えている。

 心が疲れているというのは自覚しづらいらしいが、身体症状として現れてくる場合も多い。こりや不眠、食欲不振という訴えで一般の外来を受診し、原因が分からず余計ストレスになることもあるそうだ。初老期の男性にそういった症状が出たら、まず、心療内科の受診をお勧めする。欧米ではかかりつけのメンタルクリニックを持ち、定期的にカウンセリングを受けるのはステータスシンボルだそうだが、日本では精神科というとまだまだ偏見があるようだ。

 心と体は密接にかかわりあっているのだから両方ともケアしよう。生きる意味が見出せないと人生に価値を感じなくなり、自殺に走る。実は私も自身の存在意義を見失いかけたことがあったが、そのときにいろんな本を読み、生きる意味に気づいたおかげで今がある。読書の秋も近い。 (県臓器移植コーディネーター)

 (熊本日日新聞2005年9月21日付夕刊「きょうの発言」)
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