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意思表示カード低迷 脳死での臓器提供、移植 県内ゼロ
県の臓器提供意思表示カード。所持率が伸び悩んでいる
  県内の脳死による臓器移植件数は、臓器移植法施行後十年間で提供、移植ともゼロ。臓器提供意思表示カードの所持率も低迷しており、関係者は「移植医療への理解をもっと広めたい。まずはカードの所持率を高めたい」と話す。

 日本臓器移植ネットワーク(東京)によると、十月一日現在の臓器移植希望登録者数は全国で一万二千二百九十五人。都道府県別の人数は公表していない。

▼所持率6・4%

 脳死臓器の移植手術を実施するには学会の認定などが必要だが、県内には認定を受けた医療機関がなく、県内で移植手術を受けることは不可能な状態だ。

 一方で、脳死臓器を認定病院に提供できる医療機関は熊本大付属病院など三施設があるが、これまでに提供実績はない。原因として、意思表示カードの所持率の低さが指摘されている。

 県の調査によると、二〇〇六年のカード所持率は「カードを持ち、意思を書き込んでいる」が3・0%。「カードを持っている」が3・4%。合計しても全国の所持率8・0%より1・6ポイント低い。前回調査の〇三年は「カードを持ち、意思を書き込んでいる」が5・4%、「カードを持っている」が2・9%だっただけに、所持率の落ち込みも目立つ。

 一方で「カードのことを知っている」と答えた人は、いずれの調査でも75%を超えている。県薬務衛生課は「脳死移植への関心は高いが、それが所持につながっていない。市町村や県の機関にカードを置いても、なかなか持って帰ってもらえない」と話す。

▼“複雑”と混同

 脳死によらず、心臓死でも移植できる腎臓の提供数も減っている。

 県臓器移植コーディネーターの西村真理子さんによると、一九九〇年代前半は県内で年間二、三件の腎臓提供があった。それが臓器移植法施行の九七年以降は累計でも五件と激減している。

 「複雑な手続きが必要な脳死移植と混同され、移植をためらう家族や関係者が増えているのではないか」と西村さん。県内には腎臓移植の希望登録者は百五十人前後おり、圧倒的に臓器が足りない状態が続いている。

 問診票の受け渡し時に患者のカード所持の有無や、提供の意思を確認する医療機関が徐々に増えているという。西村さんは「だれもが突然、臓器移植が必要となる可能性がある。臓器提供するのか、それとも拒否するのか、一度は家族で話し合ってほしい」と呼び掛けている。(梅野智博)

(熊本日日新聞2007年10月27日朝刊)
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