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ヒトES細胞 がん治療や臓器再生目指す 熊本大
熊本大(崎元達郎学長)は28日、ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)を使い、臓器の再生医療やがん治療への応用を目指した基礎研究を来年1月にも始めると発表した。文部科学省が研究を実質的に認める「確認」の手続きがこのほど終了した。ヒトES細胞を使った研究は九州の研究機関では初めて。
ヒトES細胞の培養や実験装置と粂昭苑教授=熊本市
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ヒトES細胞とヒトクローン胚
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ES細胞はさまざまな臓器や組織に成長する能力を持った状態のまま無限に増やすことができる細胞で、ヒトの受精卵からつくられる。
一方、ヒトクローン胚は核を取り除いたヒトの卵子に皮膚などの体細胞の核を入れたもの。ヒトクローン胚は子宮に戻せばクローン人間が生まれるが、ES細胞ではできない。
最近では、韓国ソウル大の黄禹錫元教授がヒトクローン胚からES細胞の作成に世界で初めて成功したとする論文が、ねつ造だったことが明るみになった。
ヒトES細胞は受精卵の分割過程の「胚盤胞」から得られ、神経や臓器などに成長する能力を秘めた“全能細胞”。2003年に京都大が国内で初めて作成に成功した。
熊本大が研究を進めるテーマは2つ。肝臓や膵臓(すいぞう)のもとになる細胞ができる過程の解明を目指す研究(発生医学研究センターが実施機関)と、がん細胞を攻撃する抗体を効率良くつくる細胞の作成などを目指す研究(大学院医学薬学研究部が実施機関)。
両実施機関とも、これまでの研究でマウスなど動物のES細胞を使い、臓器のもととなる細胞をつくり出す実験などで成果を上げており、ヒトに応用できるかの可能性を探る。ヒトES細胞は京都大から無償で分配を受け、5年以内に研究を完了させる。
ヒトES細胞はすべての細胞に分化する可能性があることから、文科省は人体での臨床研究を禁止する一方、使用に厳しい条件を示している。専用の実験室の設置や細胞の厳しい管理が求められており、熊本大は昨年6月から学内の倫理委員会で議論を重ね、今年8月にそれぞれの実施機関の責任者が文科省に使用の確認申請をしていた。
熊本大の田賀哲也・発生医学研究センター長は「大学を挙げてのプロジェクトで、周到に準備してきた。ヒトへの応用の道筋が開けるような成果に期待したい」と話している。(岡本幸浩)
(熊本日日新聞2005年12月29日付朝刊)
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