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医療の良心を守る市民の会 内部告発者を支援
 患者のために内部告発するなど真実を語る医療者を守り、患者と医療者双方で良い医療を目指す「医療の良心を守る市民の会」(永井裕之代表)が4月に発足。医療事故が多発する中、被害者家族と医師、弁護士らが集まり、「うそをつかない医療」の実現を訴える団体だ。発起人には、新葛飾病院の清水陽一院長、セーフティーマネジャーの豊田郁子さん、熊本大助教授の粂和彦医師らも参加している。

 設立のきっかけは、1997年12月に起きた日本医科大病院の死亡事故。あごの骨つぎ手術を受けた20歳の女性が2日後に亡くなった。2000年7月、執刀医の助手だった郡家正彦医師が「ワイヤが脳に刺さる事故があったのに伝えなかった。手術後の管理が不十分だった」と遺族に謝罪したが、病院から名誉棄損訴訟を起こされ、05年11月、東京高裁で逆転敗訴した。

 このため、「内部告発者を守る仕組みをつくり、真相解明や再発防止に生かそう」と医療被害者、医師、弁護士、ジャーナリストらが会員となり、同会を組織。06年4月に東京都内で初のシンポジウムを開催した。

 03年3月、葛飾区内の総合病院で誤診と引き継ぎミスによって豊田さんの長男(当時5歳)が亡くなった医療事故も、内部告発で明るみになった。「内部告発者の存在は大きい。加害者側でもあるのに、なぜ危険を冒してまで告発したのか。正義感から真実を伝えたいと思ったのか、医療を改善したいと思ったのか…。いろいろと思いをめぐらせたし、これをきっかけに医療事故や患者と医療者の関係など、医療が抱える問題を考えるようになった」と話す。

 郡家医師の高裁判決で同会は、(1)医師が真実(あるいは真実と考えて当たり前のこと)を家族や報道機関に伝えることが名誉棄損に当たるとされてよいのか、また、(2)医療側のミスを指摘する医学者・専門医の鑑定意見書が4つも提出されているのに、裁判所はワイヤが脳内に刺さった事実を認めておらず、司法が医学者の見解をこんなにも無視してよいのか、と指摘している。

 ドイツには、医師を裁く専門の医師職業裁判所があり、第一審では裁判官3人のうち2人を医師が務める(二審は裁判官5人中、2人が医師)。新葛飾病院の清水院長は「医療訴訟は医学的な専門性が極めて高いため、ドイツのように医師が裁判官を務めるような仕組みが必要だ」と言い、「医療事故があったら、医師がまず本当のことを患者側に言い、誤りについては謝罪することが結局は信頼を生む。それがうそをつかない、医療の良心だ」と話している。(高本文明)

 「医療の良心を守る市民の会」の連絡先は、
 〒110-0001 東京都台東区谷中3-23-10-501 電話・ファクス03(3221)0355
 対応時間 月・水・金 午後1時半〜午後5時 メール hnagai@max.hi-ho.ne.jp
 ホームページは http://ryousin.web.fc2.com/

 (くまにちコム「健康・医療」2006年8月20日付)

○ 病院と患者 トラブルを「仲介」 医療メディエーター導入
○ うそをつかない医療進める 新葛飾病院・清水陽一院長に聞く
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