夏に向かって気温が上がり、雨によって湿度も高くなります。カビが発生しやすく、食べ物も傷みやすくなるため、食中毒が起こりやすい季節です。消化器系の働きを高めるようにし、生食には気をつけましょう。今月は、ご飯にもビールにも合う「アジの南蛮漬け」を紹介します。
春先から夏にかけて旬を迎えるアジは、青魚特有の成分であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの不飽和脂肪酸を多く含み、ビタミンB群やビタミンD、カルシウムも豊富です。
EPAは血中のコレステロールや中性脂肪を低下させる働きを持つため、脳梗塞や心筋梗塞の予防に有効です。また、DHAは脳や神経組織の発育や機能の維持に重要な働きをします。カルシウムやビタミンDは骨粗しょう症の改善に重要です。
タマネギの栄養素で注目されているのが、アリシン(硫化アリル)です。これはタマネギを切った時に生じる独特のにおいの素になる成分で、毛細血管を広げ、新陳代謝を高め、血液の循環をよくします。さらに、疲労回復に欠かせないビタミンB1の吸収を助ける作用が知られています。
ニンジンのβカロテン含有量は、緑黄色野菜の中でもトップクラスです。βカロテンは体内でビタミンAに変化して、皮膚や粘膜の保護や免疫力を高める効果があります。
アジを漬け込むたれには酢を使いますが、酢に含まれるクエン酸は、疲労を回復させる働きがあります。また胃酸の働きを助け、食欲を増進させたり消化を助けたりする働きをします。
気温が上昇すると体が疲れやすくなり、食欲も減退しがち。さっぱりおいしく食べられる南蛮漬けは、この季節にぴったりの優秀な総菜です。
(県栄養士会・赤星亜朱香)
(熊本日日新聞2007年6月9日付夕刊)
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