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後期高齢者医療運用見直し 保険料計算さらに複雑に
複雑な後期高齢者の保険料計算は見直しでさらに複雑になる。写真は後期高齢者の保険料を徴収する熊本市国民健康保険課。7月の本徴収額通知後は、混乱を避けるため相談コーナーも開設する。
 政府・与党が申し合わせた後期高齢者医療制度の運用見直しによって、被保険者をはじめ、制度を運用する各都道府県の後期高齢者医療広域連合や保険料を徴収する市町村で新たな混乱を生じる公算が大きくなった。

 被保険者の保険料計算は、個人単位と世帯単位が混在して今も容易ではない。運用見直しの結果、保険料の軽減措置が多段階になったうえ、保険料が仮徴収から本徴収に移行する時期と重なるため、さらに複雑になる。

均等割と所得割

 後期高齢者医療の保険料は均等割と所得割の合計額。上限(最高)は五十万円。医療費の増減を考慮して二年ごとに見直す。

 均等割は原則、被保険者(加入者)全員に課す。都道府県で異なり、最高は福岡五万九百三十五円、最低は長野三万五千三百円。熊本は四万六千七百円。

 一方、所得割は所得額(総所得)から基礎控除三十三万円を差し引いた額に所得割率を乗じる。所得は年金収入のほか、事業収入や株式の配当、不動産収入など。所得額は公的年金控除や必要経費をそれぞれ差し引いた額を合算する。所得割率の最高は北海道9・63%、最低は長野6・53%。熊本は8・62%。

 四月の制度導入時は、低所得者に対する軽減措置は、均等割が七割減、五割減、二割減の三段階、所得割は十割(免税)と五割減の二段階だった。均等割の軽減対象者を判定する際の所得は、世帯主と世帯内の被保険者の所得の合計額とした。

 保険料の徴収は個人単位、軽減の判定は世帯単位になっているわけだ。この方法は国民健康保険と同様だが、健保組合など他の被用者保険の被扶養者だった後期高齢者への軽減措置と酷似し、制度を複雑にしている。

 例えば、高額所得の子供と同居する後期高齢者の場合、世帯単位の判定では軽減は難しい。ところが同居しながら親子別々の世帯にすると、均等割が軽減される可能性が高くなる。

重い足かせ

 見直しでは、〇九年度は低所得者への軽減措置を手厚くする。均等割は、七割軽減世帯のうち被保険者全員が年金収入八十万円以下でそれ以外の所得のない世帯は九割軽減になり、軽減措置が四段階になる。所得割も、年金収入二百十万円超の被保険者を除き、軽減措置が十割、七・五割、五割、二・五割の四段階に増える。

 このやり方は、財政力の強い東京都が四月に採用している。ただ軽減分は都道府県と市町村が肩代わりしないといけないため、財政力の弱い自治体には厳しい。

 保険料の仮徴収段階で、見直しが決まったのも混乱に拍車をかけるとみられる。実は四月と六月の保険料は、二〇〇六年の所得を基にした仮徴収。本徴収は〇七年の所得を基にするが、その額は七月一日に分かる。前年の所得より大幅に増減していると、本徴収額は大きく変化する。

 保険料計算システムの修正も重い足かせ。厚労省は国民健康保険中央会に委託し七月十日までにシステム修正を終えるよう求めている。予定通り進んでも、見直しが本徴収に反映されるのは十月分の本徴収から。八月分の本徴収には間に合わないという。

 被保険者と直接向き合う市町村は「本徴収額を被保険者に通知した段階で混乱、見直しによる徴収額を通知した段階でも混乱。それでも窓口からは逃げられない」(熊本市国民健康保険課)。(南里秀之)

(熊本日日新聞2008年6月25日付夕刊メディカル)
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