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がん対策推進計画 都道府県間に意欲の差
 厚労省は十六日開かれた第七回がん対策推進協議会で、四十七都道府県に二〇〇七年度中の策定を求めていた「がん対策推進計画」の進ちょく状況を報告した。

 四月二十四日現在、青森、新潟、三重、滋賀、大阪、奈良、岡山の七府県が未策定。最速の策定は熊本の〇七年十一月、最も遅くなりそうなのが滋賀と奈良の〇八年度中。策定時期一つ取っても一年以上の開きがあり、早くも都道府県間の意欲の差が現れた。

治療水準の均てん化

 都道府県がん対策推進計画はがん対策基本法に基づき、国が〇七年六月に作成した「がん対策推進基本計画」をベースに、〇七年度中の策定が義務付けられていた。

 国は一九八四年度に開始した対がん十カ年総合戦略、その後の第二次十カ年戦略、現行の第三次十カ年戦略でがん対策を推進。がん発症システムの解明など基礎研究は世界トップレベルになった。半面、臨床は大都市圏や周辺の一部の医療機関を除くと欧米水準に及ばず、治療水準の均てん化を迫られている。

 がん対策推進基本計画に、国は(1)七十五歳未満のがん死亡率十年以内の20%削減(2)がん検診受診率の五年以内50%以上などの目標値を明記した。都道府県は、この計画を参考にして地域事情も考え、治療水準の均てん化につながる計画づくりに取り組んだ。

 策定済みの四十都道府県では、和歌山、兵庫、島根の三県が「がん死亡率十年以内20%削減」を上回る目標にした。このうち和歌山は七十五歳未満人口十万人当たり死亡率が九八・五と全国ワースト五位、兵庫も九七・二のワースト九位。ともに25%減を狙いワーストテン脱出を目指す。

 早期発見、早期治療につながる「がん検診受診率五年以内50%以上」より高い目標にしたのは宮城、山形、兵庫の三県。例えば山形。現在の受診率は胃がん、大腸がん、子宮がん、乳がんはトップ。肺がんも二位。日本一の高受診率を堅持する姿勢を盛った。

積極禁煙に及び腰

 国が数値目標を推進計画から外した成人喫煙率の削減目標値は二十二道県が明記、残る熊本など十八都府県が国に追随した。WHO(世界保健機関)は「禁煙は最も確実かつ短期的に大量の重篤な疾病や死亡を劇的に減らすせる方法」と指摘。日本もWHOの「たばこ規制枠組条約」の批准国だが、国は税収減を心配して積極禁煙には及び腰。

 九州七県の推進計画では、長崎が全国の在宅医療のモデルになっている「長崎在宅Dr.ネット」の全県拡大を掲げた。長崎市の開業医が訪問診療し、専門医や病院勤務医と連携した在宅医療システムを構築。患者の主治医と副主治医を決めるため、休みが取りやすいという。

 長崎のがん死亡率はワースト八位の九八・〇。同ネットの開業医が、長崎大病院の緩和ケアチームの症例検討会に出席し、訪問診療に採り入れている。

 また鹿児島は、県独自のがん診療指定病院制度を創設や、がんの検診と医療の精度管理体制の構築を挙げた。

 死亡率ワースト二位の佐賀(一〇二・六)は「“がんを切らずに治す”粒子線治療施設の立地」、四位の福岡(一〇〇・八)は「九州大病院と国立病院機構九州がんセンターを軸にした診療態勢強化」を織り込んだ。熊本、大分、宮崎の計画は目新しさに乏しい。(南里秀之)

 
(熊本日日新聞2008年5月28日付夕刊メディカル)  
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