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| 脳卒中の地域連携パス 地域完結型の診療態勢に |
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四月の診療報酬改定で、脳卒中の地域連携診療計画(地域連携クリティカルパス)が診療報酬の対象疾患に追加された。厚労省は、熊本市と近郊の医療機関が参加する「熊本脳卒中ネットワーク」を、地域連携のモデルとして全国に紹介している。
熊本脳卒中ネットワークは、熊本市と周辺の急性期病院、回復期のリハビリテーション病院、維持期の療養型病院などが機能分担。地域完結型の脳卒中診療態勢を築いている。
■障害者を生活者に
「大腿(たい)部頸部(けいぶ)骨折の回復期リハビリ病棟の入院期間が六カ月から三カ月に短縮された。厚労省がリハビリ期間を短縮した熊本の地域連携パスを悪用した例だ。データを正直に公表するのも、いいことばかりにはならない」。四月中旬、熊本市内で開かれた「熊本脳卒中地域連携ネットワーク研究会」。講演者の医師がそう話すと、参加した六百人を超える医療従事者の大半が肯いた。
クリティカルパスは、治療標準化のマニュアル。熊本では、済生会熊本病院が院内感染防止対策として初めて採り入れた。これを国立病院機構熊本医療センターが地域に普及させた。大腿骨頸(けい)部骨折の地域連携クリティカルパスを作成、全国に広げた。医療費削減を狙う厚労省が後押しした。
脳卒中の地域連携も病院パスの地域版。済生会熊本、熊本市民、熊本赤十字、熊本医療センターの四大救急病院と熊本大付属と熊本地域医療センターの計六病院が急性期の患者を治療。平均十六日でリハビリテーション病院にバトンタッチする。ここでリハビリに励んでもらい、在宅復帰を目指す。
「熊本の強みは、しっかりした回復期のリハビリ病院が数多くあること。全身管理できる医師のいる病院が診てくれるので、患者さんを安心して任せられる。その結果、急性期病院のベッドが早く空き、救患の受け入れが可能になる」。
そう指摘しながら熊本市民病院の橋本洋一郎・神経内科部長は続ける。「急性期病院は病気を治す。回復期病院は障害をなくし、日常生活を可能にする。追い出すのではなく、ステップアップさせて障害者を生活者に戻します」。
■増える救急ストップ
今の態勢は一九九五年に結成された「脳血管疾患の障害を考える会」が源流だ。急性期病院やリハビリ病院の医師ら約百五十人が集まった。急性期病院とリハビリ病院間の相互不理解と不満から連携不足し、転院に時間がかかっていた。
弊害を解消するため、「考える会」は診療体制や治療実績など、互いの内情を公開し改善を進めた。その手段の一つが地域連携クリティカルパスの策定。四月現在、熊本市と周辺の急性期病院十カ所、回復期リハ病院三十七カ所、維持期病院・有床診療所・老人保健施設二十一カ所(一部重複)が同じパスを使う。「電話一本入れると、一週間以内での転院がほぼ可能になった」。橋本部長は話す。
半面、進んだ機能分担が急性期病院に過度の負担を強いている。在宅や病院併設の老健施設の高齢者が、さほど高度な治療を必要としないのに、急性期病院に救急搬送されるケースが増加。その影響で救急車を断る救急ストップの状態が長くなった。済生会熊本病院の場合、〇七年度の救急ストップは年千七百時間を超えた。米原敏郎神経内科部長は「急患が特定の急性期病院に集まりすぎる状態を緩和しないと、早晩、行き詰まる」と話している。(南里秀之)
(熊本日日新聞2008年5月14日付夕刊メディカル)
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