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公立病院改革ガイドライン 再編・統合で経営見直し
総務省の有識者懇談会がまとめた公立病院改革ガイドラインに基づき、全国の自治体が病院の再編・ネットワーク化に向けた計画策定に入り始めた。写真は4月1日に経営形態を見直した熊本県立こころの医療センター
 総務省の有識者懇談会が二〇〇七年十二月にまとめた「公立病院改革ガイドライン」に基づき、都道府県や市町村が病院の再編・ネットワーク化に向けた計画策定に動き出した。

 改革ガイドラインは、地方公共団体に対し、〇八年度中に改革プランを作成。三年以内に経営効率化を図る一方、五年程度をかけて再編・ネットワーク化や経営形態の見直しを迫っている。

“北高南低”

 「改革の基本方針は、有識者懇談会がまとめたガイドラインにすべて盛り込まれています。後は着実に実行するだけです」。総務省地域企業経営企画室の濱田省治室長は淡々と話す。濱田室長は“医療過疎地”の島根県での勤務経験もあり、「地域医療の実態も分かっているつもりです」

 総務省の調べでは、ガイドライン策定後、北海道、青森、大阪、岡山などが改革プランの策定に着手している。このうち医療不足が深刻な北海道は、既に各エリア別のプランを描き始めたという。一月に橋下徹弁護士が知事に就いた大阪府は三月、「公立病院等のあり方懇談会」を設置。今後、二回程度懇談会を開き、十月をめどに府内の府立以外の二十二公立病院、計七千七百四十七床の再編・統合計画をまとめる。

 二十二病院の〇六年度決算は経常損失(赤字)が総額百四十八億円。大半の病院が赤字経営で、改革は待ったなしの状態。大阪府は〇六年四月、地方独立行政法人大阪府立病院機構を全国で初めて設立。五つの府立病院を一体運営し黒字化した。

 「自治体病院改革は、総じて北海道や東北といった北の自治体ほど熱心。医学部を持つ大学が少なく、西日本に比べると医師不足の程度がひどい。その分、真剣にならざるを得ないのでしょう」。改革への意欲が、濱田室長の目には“北高南低”に映る。

福岡の“荒療治”

 九州では福岡県が〇五年四月から〇七年四月にかけて、五つの県立病院の経営形態を見直し、直接経営をなくした。朝倉病院(朝倉市)と遠賀病院(岡垣町)はそれぞれ地元医師会に譲渡。柳川病院(柳川市)は財団法人医療・介護・教育研究財団に、嘉穂病院(穂波町)は福岡県済生会に移譲。法律で設置が義務付けられている精神医療センター太宰府病院(太宰府市)も、財団法人医療・介護・教育研究財団に経営を任せ公設民営化した。

 病院の経営効率化を進める際は、まず地方公営企業法の一部適用を全部適用(全適)に移し、病院事業管理者に予算編成権と人事権を与える方法が一般的。この全適を飛び越し、一気に譲渡や公設民営化に進むのは“荒療治”といえる。県立をなくしても、大学病院が四つもある福岡だから踏み込めたとの見方は強い。

 総務省の調べでは〇七年三月末現在、県立を含め自治体病院数は福岡二十、佐賀十、長崎二十四、熊本二十、大分六、宮崎二十、鹿児島十六。このうち「全適」病院は長崎七、福岡、鹿児島各六、宮崎四、大分二、佐賀と熊本はゼロ。熊本は今年四月現在、「全適」病院が二になったが、誇れる数字ではない。

 「総務省が言うように病院の存廃を経営効率だけで判断するなら、地域医療は成り立たない」。熊本県の東明正・健康福祉部次長(元熊本大小児科准教授)は指摘する。確かに正論だが、一方では再編・統合しないと医師確保もままならない実態がある。

 (熊本日日新聞2008年4月16日付夕刊メディカル)
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