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| 「5分ルール」 小児科優遇のはずが減収 |
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四月の診療報酬改定で「外来管理加算」の算定要件が見直された。この加算は、中小病院や診療所の上乗せ再診料と指摘されていたが、改定では「医師が五分を超えて診察し、要点をカルテに記載した場合に算定できる」と時間枠をはめた。
「五分ルール」。診察時間五分の“定め”は、医療従事者の間でそう呼ばれる。青森県保険医協会が同県内の公的病院と小児科診療所に影響を尋ねたところ、多くの医療機関が「病院収入が減り、地域の医療崩壊が加速する」と深刻に受け止めていた。
■無形技術を評価
受診した患者は「診察料」を支払う。診察料は、初・再診料のほか、検査や処置を受けると、その費用を追加する。外来管理加算は、何もされなかった場合の料金。病床数二百床未満の中小病院と診療所に限り認められている。
かつて「内科再診料」と呼ばれ、内科系の無形技術の評価料だった。処置や検査など有形技術の治療では算定せず、外科系と均衡を取った。再診の際、別の疾患が分かり、診断、治療しても初診料は算定されず、支払いは再診料のみ。この“不合理”を補うためで、実質は「加算」ではなく再診料の色彩が濃い。
四月の診療報酬改定では、問診、詳しい身体診察、患者への病状や療養上の指導、それらの要点のカルテ記載などを、加算の算定要件に追加。一連の診療に要する時間をおおむね「五分間」、カルテ記載は自覚症状、他覚所見、評価、計画の四つを盛り込むSOAP方式。診察の開始時間と終了時間の記載も必要だ。
青森県保険医協会は、この「外来管理加算の五分ルール」を取り上げ、県内の二百床未満の公的病院十八施設に二月八日から十一日間、ファクスでアンケート。十二施設が回答し、十一施設が五分ルールに反対だった。ルール導入後、五施設が加算の算定可能割合が10%以下に落ち、最高年二千万円以上、平均年千二百万円以上の減収を予想。七施設は、経営弱体化による医療崩壊の加速化を心配している。
■負担、一層重く
さらに診療科目に小児科を掲げる二百床未満の病院五施設と小児科診療所四十九施設には二月二十一日から八日間、郵送でアンケート。回答した十九施設のうち十八施設が「五分ルール反対」とし、十五施設が「医療崩壊が加速する」と危機感を募らせている。
ルール導入後、十四施設が加算算定可能割合は50%以下、最高年七百四十万円以上、平均年二百十三万円以上減収するとみている。診療報酬改定の目玉は小児科医などの優遇だった。アンケートと同時に集めた自由意見では「小児科の財源確保のための改定で、小児科が減収になるのはおかしい」という素朴な疑問が寄せられた。
“五分ルール”も、「なぜ五分なのか、エビデンスがない」「診察時間の長さと医療の質、患者満足度の関係は明らかではない」といった批判が続出している。SOAP方式のカルテ記載も風当たりが強い。特に二百床未満の公的病院では紙カルテを使っている施設が少なくない。医師は診察とカルテ記載が終わるたびに加算するか、しないかの判断を事務に伝え、負担は一層重くなる。
厚労省が狙って不発だった診療所の再診料引き下げは、外来管理加算の圧縮に姿を変え、医療費削減を迫っている。
(熊本日日新聞2008年3月19日付夕刊メディカル)
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