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診療報酬改定の配分 日医は「再診料死守」方針
4月の診療報酬改定で、厚労省は診療所の再診料引き下げを中央社会保険医療協議会に提案。反対する日本医師会と折り合うため、病院と診療所の再診料を統一する案も浮かんでいる。写真は熊本市の病院と診療所のコラージュ
 昨年末の〇八年度予算編成で、診療報酬の本体部分(医師の技術料など)が八年ぶりに〇・38%アップされたのを受け、中央社会保険医療協議会(中医協)を舞台に〇八年度診療報酬改定の配分をめぐる審議が始まった。

 厚労省が診療所(病床数二十床未満)の再診料引き下げを提案したのに対し、日本医師会(日医)は強硬に反対した。次期総選挙も予想され、与党が後押しする中、日医は「現行の再診料死守」の方針を打ち出した。

 価格差が助長

 政府は昨年末、診療報酬本体部分の引き上げを閣議決定、舛添要一厚労相は「医師不足を解消するため」と説明した。背景には、小泉政権の医療制度改革で悪化した日医とよりを戻し、次期総選挙で支援を得たい与党の思惑が強く働いた。

 社会保障関係費を毎年度二千二百億円ずつ削減していく政府の「骨太の方針2006」の枠内で、診療報酬のアップ財源確保は容易ではなかった。まず厚労省は、中小企業のサラリーマンと家族が加入する政府管掌健康保険への国庫負担を削減。その分を大企業のサラリーマンと家族が入る健康保険組合(健保組合)と公務員共済組合に肩代わりさせた。国庫負担を民間負担に切り替える“荒治療”に、健保組合側は「筋違い」と反発。日医など診療者側の“痛み”も求める声が上がっている。

 昨年末の予算編成で厚労省は当初、診療所の初診・再診料を引き下げ、その分を病院勤務医の診療報酬アップに回し待遇を改善、勤務医不足対策を進める計画だった。

 初診料は、患者が医療機関を初めて受診する際の料金で双方とも二千七百円。再診料は、患者が二度目以降の受診の際に支払う料金。診療所は一回当たり七百十円、病院は病床数二十床以上〜二百床未満は一回当たり五百七十円、病床数二百床以上が七百円。

 厚労省などは、再診料の価格差が、患者が診療所よりも病院を受診する風潮を助長していると判断。診療所を下げ、病院を上げることで、病院勤務医の待遇改善と負担軽減の“一石二鳥”も可能になるとみている。

 “病診統一論”

 病院と診療所の再診料の違いでは、従来、厚労省は「診療所は、住民のかかりつけ医師になるケースが多く、地域医療を支える担い手」として入院中心の病院より重く見たという。ただ実際は、日医の主力会員である開業医への配慮との見方が消えない。

 実は初診料も、前回の〇六年度診療報酬改定で統一されるまで診療所が病院より高かった。診療所二千七百四十円に対し病院二千五百五十円。価格差は百九十円。これを二千七百円に統一した。診療所は四十円のダウン、病院は百五十円のアップだった。

 この時の前例を踏襲し、政府・与党間には再診料の“病診統一論”が浮上している。しかし日医は「再診料は医師の無形の技術を評価する重要な項目」と強調。「診療所の経営状態は危険水域」として再診料を堅持する方針を表明している。

 一方、厚労省も「初診料が同一なのに、再診料がなぜ異ならないといけないのか。経営状態を言うのなら、危険水域の病院も少なくない」と一歩も譲らない。

 日医は任期満了に伴う四月の会長選挙、政府・与党は次期総選挙を念頭に、世論の風向きをにらみながら判断を迫られる。

(熊本日日新聞2008年1月23日付夕刊メディカル)
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