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| 自治体病院の経営改善 もう一段の“改革”必要 |
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総務省が、地方自治体の財政状態を判定する基準を決めた。財政破たんの認定に使っていた従来の指標だけでは実態がつかめないとして、地方公営企業を含む連結実質赤字比率など四つの指標にした。
さらに総務省の公立病院改革懇談会が「公立病院改革のガイドライン」を作成。自治体の“隠れ赤字”につながっているとされる自治体病院の経営改善を打ち出した。
■財政を圧迫
「総務省の新しい指標は自治体病院つぶしにほかならない。なぜなら同じ大幅赤字でも、清掃や消防、競馬など一部事務組合の経営は考えていない。自治体病院をつぶすか縮小、再編させると、医師不足も解消する。一石二鳥を狙っている」。自民党閣僚経験者の秘書を長く勤めた荒尾市議はそう分析する。
総務省が新指標に採り入れた連結実質赤字比率をみると、荒尾市の同比率は二〇〇六年度決算で10・2%。財政再生基準の30%に遠いが、早期健全化基準の16・25%に迫っている。
主因は、地方公営企業会計で経営する市立荒尾市民病院の存在。累積赤字は〇六年度決算で約二十八億五千万円に上る。
市も病院職員の給与カットなど経営努力しているものの、抜本的改善にはならないという。
病院経営が自治体財政を圧迫しているのは、荒尾市に限った話ではない。荒尾市民病院を含め熊本県の自治体病院は十九施設。〇六年度決算の損益計算書によると、経常損益ゼロつまり収支均衡の病院は五施設。ただ、いずれの病院も一般会計など他会計からの補助金や負担金で損失を埋めている。
■譲渡や委託
それでも熊本県の自治体病院は、どちらかというと“健全経営”な方という。全国的には既に設置・経営形態を(1)専任の病院事業管理者を置く地方公営企業法の全部適用型(2)指定管理者制度導入型(3)地方独立行政法人移行型(4)医療法人(民間)譲渡型(5)複数自治体病院が統合する広域連携型(6)病院の建設から経営まで民間資金に依存するPFI型、にしている病院も少なくない。
九州でも、福岡県は〇五年四月、県立病院の三施設を地元医師会と恩賜財団済生会に、〇七年四月に一施設を財団法人に譲渡。残る法設置が義務付けられた精神病院一施設は指定管理者に経営委託した。北九州市は〇二年四月、市立戸畑病院を、大分県佐賀関町は〇四年七月、国保病院をそれぞれ医療法人に譲渡。今年四月、長崎県は県立成人病センター多治見病院(諫早市)を日本赤十字社に譲った。
ただ大半の自治体病院は地方公営企業法の全部適用型で、従来通り地方財政措置の対象になる。このため公立病院改革ガイドラインは(1)競合する近隣自治体病院を診療所化(無床化)後、地方独立行政法人が増床後の既存病院や新設する基幹病院を経営する(2)既存病院の統合・再編後に指定管理者に経営委託する、などを例示している。
熊本県の自治体病院は地方公営企業法の全部適用型への移行にとどまっており、もう一段の“改革”が避けられないとみられる。
●連結実質赤字比率 地方自治体の財政状況は普通会計の赤字割合である実質赤字比率を用いる。しかし自治体には病院や水道、地下鉄などの地方公営企業会計もある。連結実質赤字比率は公営事業を加味して実態により近づける。
(熊本日日新聞2007年12月19日付夕刊メディカル)
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