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ドクターヘリ法成立 普及へは財源確保課題
地域医療の救世主≠ニも期待されるドクターヘリ。課題は運用費の確保。写真は福岡、佐賀、大分3県が共同運航する久留米大病院のドクターヘリ=久留米市旭町
救急用の薬品と医療機器を搭載したヘリコプターが、救急の専門医師と看護師を乗せて現場に向かうドクターヘリ。六月の通常国会で「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療に関する特別措置法(ドクターヘリ法)」が成立、普及への足場を築いた。
“医療崩壊”が現実味を帯びている地方圏を中心に、歓迎する自治体や医療関係者は少なくない。ただドクターヘリ導入の最大のネックになっているヘリの運用財源までは確保されておらず、“本格浮上”するまでには当分時間がかかるとみられる。
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大半は尻込み
ドクターヘリは厚生労働省が二〇〇一年度から導入を進めており、現在、十道県で計十一機が稼働している。九州では、高度救命救急センターのある久留米大病院を基地病院に、福岡、佐賀、大分三県が共同運航。離島の多い長崎県では、国立病院機構長崎医療センター(大村市)を基地病院に単独で運航している。
特別措置法の趣旨は、ドクターヘリの全国配備。自民党と公明党の与党ワーキングチームが法案を作成し、議員提案で立法化した。日本医師会の石井正三・常任理事は「ドクターヘリの普及は、疾病構造の変化と高齢化社会の進展、地方の過疎化などに対応でき、地域医療提供の平等性確保からも重要」と話す。
地域の身近な医療機関が、集約化や在宅医療への切り替えで減っている。基幹病院と医療過疎地を迅速に直結するドクターヘリのような救命救急の手段は、一層必要性を増している。
ところが法律が成立したといって、一気に全国配備が進む話ではない。ドクターヘリは航空会社に運航を委託する。一機当たり委託費は年平均約二億円。厚労省と都道府県が折半負担する仕組みで、財政に余裕のない大半の都道府県が尻込みしている。
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3年後めどに
しかし崩壊寸前の地域医療の現状からすると、ドクターヘリが建て直しの有力な選択肢になる可能性がある。地方では、診療科目による医師の偏在、さらには医師の絶対数の不足から地域拠点病院への医師の集約化を進めている。その分、非拠点地域では医師の空白地帯が広がり続けている。
久留米大病院のドクターヘリに対する出動要請は、福岡県単独の〇二年度は百三十七件だった。佐賀県が〇三年九月に参加して要請は増え、〇五年度は四百十二件に上った。月平均三十四件以上。単純計算では一日最低一件の出動要請になる。
〇六年五月に大分県が参加。同年十月には九州自動車道・太宰府―久留米間で国内では初めて高速道に直接離着陸できるよう周辺環境を徐々に整えている。
同病院によると、運航費は年間一億七千万円弱。まず国と福岡県が折半して支出。福岡分を佐賀、大分が出動件数に応じ負担するという。
法案審議の過程で、与党のプロジェクトチームは健康保険からの財源捻出(ねんしゅつ)を協議した。しかし保険財政も厳しく、「法施行三年後をめどに検討する」と先送り。日本医師会も反対を表明している。
会社などから寄付金を集める非営利法人を設立し、その法人が資金を都道府県に配分する仕組みをつくった。ただ、どの程度の資金が集まるか。ドクターヘリが、地域医療の“救世主”となるうるかを占うバロメーターになる。
(熊本日日新聞2007年7月25日付夕刊メディカル)
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