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政府の医療費抑制策 参院選意識し協議難航か
厚労省はDPC支払い方式の病院数を2012年度までに現行比3倍増の1000施設にするという。写真は06年7月にDPC支払い方式を導入した熊本赤十字病院=熊本市長嶺南2丁目
政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)が十五日開かれ、柳沢伯夫厚労相は診療報酬体系見直しなどを盛り込んだ「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」を提出した。安価な後発医薬品の倍増、入院時の一日当たり診療報酬を定額制にする病院数の三倍増といった医療費抑制策が盛り込まれており、参院選を意識する与党との協議は難航も予想される。
プログラムの目標期間は二〇〇八年度〜一二年度の五年間。一部の施策では定量的な指標(数値目標)を明記している。一二年度までの五年間に限ると、(1)地域連携クリティカルパスの全国導入(2)後発医薬品の普及率アップ(3)DPC(急性期入院医療の診断群分類に基づく一日当たりの包括評価制度)支払い対象の病院数拡大(4)診療報酬明細書(レセプト)の原則100%オンライン化―で数値目標を掲げた。
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半分以上は後発品
地域連携クリティカルパスは〇六年度三十一都道府県に導入されており、一二年度までに全四十七都道府県に広げる。往診、訪問診療や休日・時間外診療を重視し診療所と病院の役割分担を明確にする狙いがある。
後発医薬品の普及率は、数量ベースで〇四年度16・8%の後発品シェアを、一二年度30%にアップさせる。この数字は、後発品が発売されている医薬品を分母にすると、医師の処方する半分以上は後発品になるという。
その結果、諮問会議の民間議員の試算では、後発品の価格を先発品の半額と仮定し、後発品のシェアを数量ベースで30%に引き上げると約五千五百億円、ドイツ並みの40%にすると約八千八百億円の医療費削減になるとしている。
民間議員は公立病院改革でも費用構造の見直し結果を試算。公立病院の医業収入に占める人件費の割合を54・5%(〇五年度)から医療法人並みの52・1%に下げると、約千四百億円の削減が見込めるとしている。
大学病院など特定機能病院に〇三年四月に導入されたDPC支払い対象病院数は〇六年度の三百六十施設を、一二年度までに千施設に拡大させる。DPCは、病名や治療法別に一日当たり入院医療費を定額化して支払う仕組み。患者の入院期間を短縮させ、医療費を抑え込む効果が望めるという。
急性期の患者を受け入れる全国の一般病床は約八千床。DPCが千施設に導入されると、全体の13%ほどの病床が定額払いになり、従来の出来高払いは約87%に減って90%を切る。
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勤務医の待遇改善
レセプトの完全オンライン化は二段階で進める。まず一〇年四月までに全レセプトの80%以上、翌年四月までに原則、全レセプトをオンライン化する。医療機関への診療報酬支払いを速くする一方、レセプトを分析して無駄な医療費を削る。
診療報酬体系見直しでは、七十五歳以上の後期高齢者に絞って、前期高齢者以下の世代とは切り離した診療報酬体系にし、介護保険との垣根を低くする。また過密労働が深刻な勤務医の待遇改善を模索。開業医との診療報酬格差の是正も視野に検討するとみられる。ただ開業医が多数派の日本医師会(日医)がすんなり応じるか。参院選を挟み中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)などを舞台に、政府と与党・日医間の攻防が続くとみられる。
(熊本日日新聞2007年5月30日付夕刊メディカル)
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