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健康食品 過度の摂取による被害も
高齢化社会の進行と健康への関心の高まりを反映し、健康食品の種類は増え続ける。厚労省は検討会を設置、安全性の確保に向けた協議を始めた=熊本市
「健康食品」。よく耳にする言葉だが、実は法律上の定義はない。健康の維持、増進に役立つ食品として販売、使われている飲食物全般を指す。この健康食品が国産品、輸入品を問わず増え続けている。
背景には、高齢化社会の進行と健康に対する関心の高まりがある。その社会風潮を逆手に取った健康食品による健康被害も後を絶たない。ただ最近は、国内未承認薬の成分を含んだ健康食品による被害よりも、過度の摂取による被害が心配されている。
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中国製が端緒
厚生労働省医薬食品局は七月、有識者を集めて「健康食品の安全性確保に関する検討会」を設置。八月に希望団体からヒヤリングするなどして、来年三月末までに提言をまとめる。
健康食品に対する当局の本格規制は、二〇〇二年七月に表面化した中国製ダイエット食品による健康被害が端緒だった。個人輸入したダイエット食品を飲んだ人たちが肝臓障害などを起こし、食品から国内未承認医薬品の成分が検出された。厚労省の調べでは、被害者は死者四人を含め約八百人に上った。
食品衛生法が〇三年に改正され、特殊な方法で摂取する食品の暫定流通禁止の規定が盛り込まれた。
さらに販売後だけでなく、健康食品の製造段階で危害発生を防ぐため、〇五年には錠剤やカプセル状の食品に関する原材料の安全性自主点検・適性製造規範(GMP)に関するガイドラインが作成された。ガイドラインをベースに、GMP認証の取り組みが民間でも進んでいる。
ところが製造段階で危害発生を防ぐ確認方法は、まだ一般には普及していない。事実、錠剤やカプセル剤の健康食品による健康被害は後を絶たない。特定成分の抽出や濃縮、成分の大量摂取などで過去に食経験のない水準に達している物も少なくない。安全対策も販売後の危害除去から製造段階の発生防止にシフトを迫られている。
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混乱する現状
例えば、コエンザイムQ10(CoQ10)。一九七四年、日本で「うっ血性心不全」治療薬として承認された。さほど注目された薬ではなかったが、米国で抗加齢サプリメントとしてブレーク。日本に逆輸入され、〇一年の食薬区分変更でサプリメントになった。現在、抗加齢の代表的なサプリメントの一つとして知られているが、医薬品としても残っている。
「コエンザイムの過剰摂取はむしろ動脈硬化を進める可能性がある」。久留米大病院の松岡秀洋・准教授(心臓・血管内科)はコエンザイムの摂り過ぎに警鐘を鳴らす医師の一人だ。研究成果は米国心臓協会(AHA)でも発表。論文は国内外の有名医学雑誌が取り上げた。
これに対し日本コエンザイム協会は「コエンザイムは発売以来、重大な副作用を起こした例はない」と反論する。ただ厚労省は医薬品として一日摂取量を30mgで承認した経緯から、一日30mgを超えて摂取した場合の安全性を内閣府の食品安全委員会に諮問した。
同委員会は「原則、医薬品の一日摂取量を超えないという現状のリスク管理措置に配慮する」とした。“健康食品CoQ10”の一日当たり推奨摂取量は100mg〜60mg。医薬品の承認量の二倍〜三倍だ。安全委員会の微妙な言い回しは、健康食品をめぐって混乱する現状が投影されているようにも映る。
(熊本日日新聞2007年8月1日付夕刊メディカル)
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