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高齢者の主治医構想=@少なからぬ医師が批判
 来年四月に始まる七十五歳以上の後期高齢者の医療保険制度に合わせ、厚生労働省が中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会で、後期高齢患者の服薬履歴の管理を医療機関や調剤薬局に義務付ける方針を表明した。

 複数の医療機関による重複検査や薬剤の重複投与を防ぎ、医療費を削減する狙い。厚労省は来年四月改定の診療報酬への反映を目指す。

「お薬手帳」

 薬歴管理は現在、調剤薬局などが薬剤名や副作用などの注意事項を記載した「お薬手帳」を、患者に任意で配布している。今回の厚労省の方針は、医師や薬剤師が後期高齢者に薬を処方したり、調剤する際に、服用中の薬剤履歴を「お薬手帳」で確認、薬剤名などを手帳に記載するのを義務化する。

 認知症などで服薬の自己管理が難しい外来患者に対しては、今も薬剤師が、必要な薬を一つにまとめて包み込む「一包化」や服薬指導をしているケースもある。これをさらに進めて、患者が持参した調剤済の薬も、薬局で整理して、服薬管理を助けると診療報酬の支払い対象にする。

 これに対し日本医師会(日医)は「薬の飲み合わせ(相互作用)のチェックや重複投薬の防止には役立つ」と一定の評価はしている。しかし「お薬手帳」を忘れて来院する高齢者が少なくない実態から、「手帳の確認を義務付けされると、薬を処方できなくなってしまう患者が現れる」と義務付けに反対の姿勢だ。

総合評価

 薬歴管理を含め、社会保障審議会の後期高齢者医療の在り方に関する特別部会(部会長・糠谷真平国民生活センター顧問)が十月にまとめた「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子」は、外来医療、入院医療、在宅医療、終末期医療の各段階で検討事項を列挙し、「中医協で具体的な診療報酬案に反映させる検討が進むことを希望する」としている。

 このうち外来医療は、薬歴管理のほか、「後期高齢者を総合的に診る取り組みの推進」と「関係者、患者・家族との情報共有と連携」を、診療報酬上の評価の在り方を検討すべきとされた。中医協の最大の焦点は「総合的に診る」とされた“主治医”の存在。

 骨子は、主治医の役割として次のような内容を挙げている。(1)患者の病歴、受診歴、服薬状況、他の医療機関の受診状況の把握(2)日常生活の能力や認知機能、意欲などを総合的に評価し、結果を療養や生活指導で活用する(3)専門的な治療が必要な場合、適切な医療機関に紹介し治療内容を共有する。具体的には薬歴管理ばかりでなく、年間の診療計画作成も義務付けられる。

 「七十歳以上の高齢者ならほぼ百パーセント近くが、内科や整形外科など複数の病院にかかっている。その分野では、それぞれが主治医だ。一人の医師だけが主治医になれるわけがない」。開業医、勤務医を問わず、少なからぬ医師が“主治医構想”を批判し、首を傾げる。

 ただ一方で医師に「高齢者の総合的な評価」ができる能力を要求している点を取り上げ、「専門化、細分化している今の若い医師が、医師本来のあるべき姿に戻る役割を果たす」(福岡市のベテラン開業医)と歓迎する向きもあり、医師の考えも割れている。

発症初期で皮膚表面

 (熊本日日新聞2007年12月12日付夕刊メディカル)
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