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後期高齢者医療制度 年収次第では高負担も
熊本県の後期高齢者医療保険の保険料率などを盛り込んだ条例案を可決した広域連合の定例議会。後期高齢者医療制度は、他の医療制度から切り離して来年4月に始まる=19日、熊本市の県市町村会館
来年四月の後期高齢者医療制度の創設を念頭に、各都道府県の市町村でつくる広域連合が、七十五歳以上の被保険者の保険料率などを算定、広域連合議会に関係条例案を提案している。
厚生労働省保険局の調べでは、十一月二十六日現在、全四十七都道府県の広域連合のうち長崎、大分、熊本など三十三都道府県の広域連合議会が条例案を可決。十二月上旬にはすべての広域連合の保険料率などが出そろうという。
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分離、独立
後期高齢者医療は、医療制度改革の一環で、七十五歳以上の後期高齢者または一定の障害を持つ六十五歳以上の高齢者の医療保険を他の医療保険から分離、独立させる。厚労省によると、現行の老人保健制度が、保険料負担と医療費給付のバランスが崩れているため、負担を明らかにし、高齢者医療費の削減を図る。
保険者は、各都道府県の市町村でつくる特別地方公共団体の後期高齢者医療広域連合。保険料は、被保険者に必ずかかる均等割(応益割)と、年収から五十三万円差し引いた金額にかかる所得割(応能割)を合算。公的年金から天引きして徴収する。患者の窓口負担は現行の一割のまま(現役並み所得者は三割負担)。
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保険料押し上げ
保険料は、対象となる高齢者の総医療費と所得を組み合わせてはじく。このため医療費と所得水準が高いほど、保険料も高くなる。厚労省の当初試算では、〇三年度の厚生年金の平均的受給者(年収二百八万円)の保険料は年七万四千四百円、基礎年金の平均的受給者(年収七十九万円)は年一万八百円としていた。
ただ厚労省は二十七日、厚生年金は〇五年度の平均的受給者(年収二百一万円)を例示して新試算を発表、当初試算とは異なる保険料となった。
熊本県の場合、〇八年四月から二年間、均等割が年間四万六千七百円、所得割率が原則8・62%になる。公的年金の収入百九十九万七千円の高齢者なら年間七万七千六百円の保険料となり、厚労省の当初試算をやや上回る。一人当たりの老人医療費が〇四年度八十四万千四百四十三円と全国十二位だったことが、保険料押し上げの要因になった。
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国保の二の舞
当初試算では保険料の最高水準は、東京都の約十万二千円と大阪府の十万千四百四十九円。東京都の〇四年度の一人当たり老人医療費は全国十八位の約七十八万円、所得は全国平均の一・七倍。大阪府の〇四年度の一人当たり老人医療費は全国三位の約九十一万円、所得は全国平均の一・一四倍。一方、〇四年度の一人当たり老人医療費が約九十六万円と全国トップの福岡県は、所得が全国平均の〇・九三倍で保険料は約八万五千円という。
負担が重たくなるのは、例えば、子供の健康保険の被扶養者になっている高齢者。負担ゼロから、年収次第では一気に高負担を強いられる。また保険料の徴収が、世帯から個人に移ることから、夫婦の一方が七十五歳未満なら、後期高齢者分とは別に国民健康保険料の支払いがある。
このため与党は、被扶養者だった七十五歳以上の高齢者の保険料は来年四〜九月は全額免除、来年九月〜〇九年三月は九割減という負担増の凍結を打ち出した。
しかし〇九年四月以降は凍結が解除され、保険料を支払えない高齢者が続出。「自治体国保(国民健康保険)の二の舞いになる」(熊本県健康福祉部)との懸念が強い。
(熊本日日新聞2007年11月28日付夕刊メディカル)
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