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病院の防犯徹底を 県が通知 仙台・新生児誘拐受け
 仙台市の病院で6日に起きた新生児誘拐事件を受け、県は19日、保健所や県医師会などを通じて、病院など県内の医療機関707カ所に防犯対策の徹底を求め、文書で通知した。県が医療機関に対し、防犯対策で要請するのは初めて。

 通知は健康福祉部長名。医療機関の防犯対策として、
  (1)防犯マニュアルの作成と職員への周知
  (2)夜間の出入り口の警備体制の充実
  (3)防犯カメラの設置
  (4)病棟・病室の安全管理体制の充実
  (5)非常時の緊急連絡体制の整備―の検討
  を求めている。

 連れ去り事件が起きた病院の問題点として、県地域医療推進課は「警備員が通用口から離れていたり、防犯マニュアルや防犯カメラがなかった」などと指摘し、「完全に安心できる対策はないと思うが、それぞれの医療機関で最善策を検討してほしい」と話している。(岡恭子)

 (熊本日日新聞2006年1月20日付朝刊)


多数の出入り、プライバシー保護 実効性には困難も
暗証番号に加え、登録済みの指紋が合わないと入室できない「指紋照合システム」を取り入れている福田病院=熊本市
 仙台市の病院で、新生児が誘拐された事件から2週間。県が防犯対策の徹底を求めたのを受け、各病院は防犯マニュアルの作成や防犯カメラの設置など具体的な対応の検討に乗り出す。しかし、病院は不特定多数の人が出入りする上、患者などのプライバシー保護も求められ、具体的な対策の実施には問題も多い。

 仙台市の事件は6日未明、母親と一緒に病室にいた生後11日目の赤ちゃんが連れ去られた。病院関係者は「二度とあってはならない」と口をそろえながらも、「比較的自由に人が出入りできる病院が狙われたのでは」(県医師会)と指摘する。

 これまで県内の病院も、それぞれ「夜間は警備員を配置する」(熊本市民病院)などの防犯対策に努めてきたが、県地域医療推進課は「(仙台市の事件で)実際に不審者が侵入したことで、危機管理の見直しが迫られている」と厳しく受け止めている。

 県内には、先進的な取り組みを進める病院もある。年間約2600人の出産にかかわる熊本市新町の福田病院は2000(平成12)年から、生後間もない赤ちゃんがいる病室のドアに指紋照合システムを導入。指紋を登録していない見舞客らは、モニターを通じ、看護師らの許可を得て入室する仕組みだ。

 ただ、こうしたシステムは多額の経費がかかるため、導入できるのは一部の限られた施設。現実には、警備員を雇えない病院も少なくない。

 病院では今後、出入り口で患者や見舞客をチェックしたり、防犯カメラの設置などを検討するとみられる。ただ、同課は「診療科目によっては、患者や見舞客のプライバシーの問題が生じる。病院の経営事情もあるし、具体的に義務づけるのは難しい」としており、実効性のある防犯対策を徹底するのは難しそうだ。

 (熊本日日新聞2006年1月20日付朝刊)

 
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