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診療科名緩和 学会反発で軌道修正へ
 医療機関の診療科名が大幅に緩和される。厚生労働省は当初、三十八の診療科名を十二科削減する考えだったが、削減対象に挙がった学会や患者団体の反対で軌道修正を余儀なくされた。

 医療機関の広告規制緩和策の一環で、厚労省は六月、「患者に分かり易いように診療科を整理する」として内科、外科など二十六科に絞り、専門分野を併記して標榜(ひょうぼう)する案を、医道審議会医道分科会診療科名標榜部会に諮った。ところが消滅する診療科の関連学会や患者会が猛烈に巻き返し、厚労省に再考を迫った。

 三科・四項目

 医療機関が標榜できる診療科は、医療法施行令で規定される。医療の種類を限定的に列挙するため、「ポジティブリスト方式」とも呼ばれ、“適法”とされる診療科を具体的に表記し、それ以外は禁じられる。この逆が「ネガティブリスト方式」。法律などで表記を禁じる診療科などの事項を列挙し、それ以外は認める。民間病院の最大組織、社団法人全日本病院協会(東京都千代田区)が保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」の解禁などともに政府に要望してきた。

 医道審標榜部会が了承した方針は、「内科」「外科」「歯科」の三科と、(1)臓器や身体の部位(2)症状、疾患(3)(診療)対象とする患者の特性(4)診療方法の四項目を、自由に組み合わせた診療科名を表記できる。厚労省が標榜部会に配布した資料では、医科では血液・腫瘍(しゅよう)内科、気管食道外科、歯科では歯科口腔(こうくう)外科などが例示されている。ただ「専門科」の表記はできない。

 さらに「小児科」や「精神科」、「アレルギー科」などのように、内科、外科、歯科との組み合わせが難しい診療科は、省令で個別に表記し、四項目との組み合わせで標榜可能にする。例えば、アレルギー科と「症状、疾患」を組み合わせると、「アレルギー花粉症科」という診療科を名乗られる。

 “一石三鳥”

 厚労省は「診療科名が分かり易くなるだろう」としている。今後、医療法施行令の改正案を作成。パブリックコメントで国民の意見を聴取した後、改正施行令案を医道審議会に諮る。その一方、診療科名の具体例や不適切な例などをまとめ、都道府県と都道府県医師会に通知する。診療科名が不適切な医療機関は、都道府県が是正指導する。

 診療科は医療機関の“顔”。街中では、いくつもの診療科名を掲げる医師一人の医療機関もよくみかける。標榜部会は、複数の診療科を表記する医療機関は、医師一人につき原則として二つの診療科を「主な診療科」と定めるよう歯止めを掛けた。

 厚労省が最終的に折れた形の“騒ぎ”を、診療科名からいったん外された心療内科医らでつくる日本心身医学会の役員は「厚労省の本音は最初から『診療科名の自由化、緩和』だったが、なぜ自由化するのか、“患者が困る”と言うだけで明確な根拠は示さなかった」と明かす。

 「厚労省は、学会が認定する現在の認定医制度を面白く思っていない。診療科名を一度緩和して、自由化が進み混乱すると規制を強めて削減するはず」。そう予測する役員は「今回は審議されなかった総合医の創設が、厚労省の真の狙い。総合医は学会ではなく、厚労省が認定し、その認定機関にOBが天下る。総合医をコントロールする一方、日本医師会の主力会員の開業医を総合医と非総合医に分断し弱体化させる。“一石三鳥”ですよ」。



発症初期で皮膚表面


(熊本日日新聞2007年10月3日夕刊メディカル)
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