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| 4疾病・5事業(下) 脳卒中治療で施設連携 |
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都道府県の医療計画が二〇〇八年度の第五次計画から大幅に性格を変える。その一つは四疾病・五事業に対する医療体制づくり。患者動向や医療資源など地域の実情を考慮して、各都道府県が取り組む。
四疾病は脳卒中、急性心筋梗塞(こうそく)、がん、糖尿病。五事業は救急医療、災害時医療、へき地医療、小児医療、周産期医療。このうち脳卒中を医療と介護に密接に絡む典型疾病として、都道府県が〇七年度中に具体的な医療体制を医療計画に盛り込む。
■新概念の圈域
なぜ、脳卒中が“一番矢”なのか。一つは、発症後に命を取りとめても言語障害や嚥下障害、認知障害などの後遺症が残る患者が多く、家族も含め元気なころより日常生活が制約される。
次に患者の症状によって治療内容が変わっていくため、病院間さらに病院・介護施設間の連携が欠かせない。医療から介護まで切れ目ないサービス提供が迫られる。
こんな要因を念頭に、都道府県は病床数を総量規制する第二次医療計画とは別枠の脳卒中医療圏という新しい圏域を設定。発症直後の患者を治療する急性期病院を頂点に、回復期のリハビリテーション病院や、療養機能を持つ診療所・介護老人保健施設がクリティカルパス(診療計画表)で連携する姿を描く。
急性期病院は(1)患者受け入れが二十四時間可能で発症後三時間以内の治療開始、早期リハビリ着手(2)脳梗塞(こうそく)患者に血栓溶解薬t―PA(アルテプラーゼ静脈注射)の治療ができる―が必須条件。さらに筋肉や関節、心肺機能などが衰える廃用群症候群(生活不活発症)や合併症の予防、早期自立のリハビリが実施可能―などの条件も要る。
■t―PA療法
脳梗塞が例示されているのは、日本人死因の三位の脳血管障害の約70%を占めるためだ。t―PA療法は米国で一九九六年に認められ、日本では〇五年十月に承認された。血管に詰まった血栓を溶かし、寝たきりを防ぐ“特効薬”とされる。
ただ発症後三時間以内の投与が絶対条件。頭蓋(ずがい)内出血などの副作用を避けるため投与制限も多い。特に脳の早期虚血性変化を示す「アーリー・CT・サインズ」と呼ばれるCT画像での所見の見極めがカギを握る。アーリー・CT・サインズは脳梗塞超急性期に現れる淡い低吸収領域や脳溝の消失。中大脳動脈領域の三分の一以上を占めていると、出血リスクが高まるとされ、投与の判断は難しい。
CT画像の「読み取り」(読影)は単独では容易ではなく、熟知した何人かの医師が議論して判断する症例が少なくないという。t―PA承認後、今年五月までに胸部大動脈瘤破裂など副作用で八人の死亡が報告されている。
一方、t―PA治療の普及は脳卒中急性期の診療体制の再編に火を付けた。結果、従来の二次医療圏では対応できなくなり、脳卒中医療圏という新たな枠組みをつくり上げたとも言える。
ただ脳卒中医療圏で、ハッキリ見えてこない部分がある。脳梗塞の回復患者への再発予防体制をどう整えるか。そこでは一般の内科医が一層重要になる。急性期医療の進歩とともに、慢性期医療も変化を迫られるのだが…。
(熊本日日新聞2007年9月5日夕刊メディカル)
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