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| 全国健保協会(中) 医療費抑制の手段に |
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政府管掌健康保険(政管健保)を衣替えする二〇〇八年十月の全国健康保険協会(健保協会)の設立まで約一年二カ月。何がどう変わるか。〇六年八月から、全国五つの社会保険事務局でモデル的に進めている取り組みなどを参考に移行後を探ると。
政管健保の健保協会への移行は医療費適正化(医療費抑制)の手段の一つ。「地域が競い合って医療費の適正化を進める。そのため保険者機能が不十分な政管健保を事実上、支部(都道府県)に分割して保険者の責務を負わせる」(厚労省保険局)という。
■大都市圏優位
政管健保の都道府県別状況調査では、保険加入者は〇五年三月末現在、被保険者千八百九十三万人、被扶養者千六百六十八万人の計三千五百六十一万人。被保険者が支払う保険料のベースになる標準報酬月額(〇四年度平均値)は全国平均二十八万三千六百二十四円。加入者数の都道府県別は東京三百二十四万人、大阪三百六万人、愛知二百二十二万人と三大都市圏の都府県が上位を独占。標準報酬月額三十万円以上も東京、神奈川、愛知、大阪、埼玉の五府県。大都市圏優位の構図は動かない。
九州では、加入者数も標準報酬月額も福岡県がトップ。加入者数百八十二万人は全国四位だが、標準報酬月額約二十六万七千円は全国平均に及ばない。福岡県では政管健保には小規模事業所が多く加入し、そこで働くサラリーマンの所得は大都市圏より相当低いという実態が浮かぶ。
肝心の保険料率は、全国健保協会設立後、医療費の高低に応じ支部(都道府県)別に決める。ただ年齢構成が高いほど医療費が高くなるため、その違いは調整する。また同じ医療費でも所得水準が低いほど保険料率は高くなるため調整する。厚労省は「二つの調整で、保険料率は医療費の地域差を反映した数値になる」とみている。
■激変緩和措置
この考えを基にした、〇三年度の政管健保の都道府県別保険料率(機械的試算)によると、福岡県は老人保健拠出金分、退職拠出金分、傷病手当などの現金給付分、保健事業の計39%と合わせ84%になる。全国平均81%を上回り九州では佐賀県と並び最高率。「被保険者(社員)を多く抱える企業は保険料率の低い県に移転しないか」。福岡社会保険事務局が設置している健康保険事業運営懇談会では、保険料率の違いから“企業流出”を懸念する声が上がった。
ちなみに最低は長野県76%。最高は北海道87%。年齢と所得を調整した後、政管健保を使った医療費の地域差を反映した結果という。協会移行後は、健診の受診率や保健指導の実施率なども加味して算出する。
都道府県別の保険料率移行に伴い、料率が大幅にアップした場合、五年間は激変緩和措置が講じられる。福岡社保事務局の懇談会では、激変緩和に必要な補てん財源のメドが立っているかが取り上げられたが、詳細は決まっていないという。また保険財政は、会計監査法人が監査し“なれ合い”に目を光らせることになっている。しかし、その外部監査の頻度や内部監査との役割分担をどうするかといった細部は詰まっていない。
(熊本日日新聞2007年8月15日付夕刊メディカル)
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