| ★穏やかに 一緒に活動も |
熊本市・通所リハビリテーション「ふれあい」管理者 元田真一さん |
認知症の親を介護していると、思うように気持ちが伝わらず、ついつい口調が強くなったり、命令的になったり、時には手を上げそうになったり…。これらは誰にもあることです。
家族は「何事もしっかりやってきた人」という母親像が消えないまま、「なぜ? どうして?」と、気持ちの整理がつかずに介護をしなくてはなりません。「なぜ自分だけが」という怒りに変わることも、むしろ当然です。
さらに、認知症の症状は、最も身近な人に対してひどく現れ、時々会う人には軽く出る傾向があります。“外づらがいい”ため、周囲の人に介護の大変さやつらさを理解してもらえないことも、介護者のつらさとなります。ただ、認知症の人に自分の不安やつらさをぶつけることができる「一番の理解者」だと思われていることも確かなのです。
お母さんの一番の理解者はあなたです。あなたがつらい表情をしていると、お母さんもつらいのです。そのことがまた言動となって現れます。
そうならないために、お母さんが混乱しない活動を一緒にするなどして、穏やかに過ごす時間を作るのも一つの方法です。例えば、一緒に洗濯物を畳むとか、一緒に昔のアルバムを見るとか。また、会話の中でお母さんが「いい天気ね」と言ったら、「いい天気だね」とおうむ返しをしましょう。
在宅介護を続けるポイントは、SOSを周囲に出し、介護者も休息を取ること。家族やケアマネジャーなどにアドバイスを求め、周囲の力を借り、肩の力を抜いて「自分ひとりで頑張り過ぎない」ことです。=終わり |
| ★頑張り過ぎず 家族と分担 |
熊本市・健軍くらしささえ愛工房デイサービス管理者 村田里枝子さん |
お母さまの言動に我慢できなくなることを悩んでおられるようですが、それはどんな時でしょうか。認知症を含め、お年寄りは心の中にたくさんの不安を抱えていて、それが行動に出てきます。
例えば「物がなくなった」「お金を盗られた」―など、思い込みで言ってしまうことがあります。「お金が無い」と訴えたら、一緒に探してあげる。同じ事を何度も繰り返し尋ねられた時は、その都度答えてあげる。それだけで安心されることがあります。
介護者に気を遣い、無理に排せつを自分でやろうとして、かえって負担をかけることもあります。介護者が「なんで言ってくれないのよ」と怒鳴ったり、説得したりすると、逆に頑固になることもあります。
そこで、お母さまの言動がデイサービスと自宅とで違いがあるのか、職員に尋ねてみてください。対応のヒントがもらえるかもしれません。ケアマネジャーに相談してもいいでしょう。
認知症の介護は、一人で抱え込まずに家族と分担し、協力するのが一番です。それでも介護者が睡眠不足になったり、介護に疲れたりした時は、頑張り過ぎずにショートステイを使って十分に休息を取ることをお勧めします。 |