| ★信頼感深める環境作りを |
(熊本学園大社会福祉学部助教授の相藤絹代さん) |
ご主人は病気になるまで仕事や社会での役割を精力的にこなされてきた方なのでしょう。社会的な役割を失った焦りや将来への不安など、周りからは計り知れない焦燥感をお持ちだと思います。一連の発言は一人になる不安や寂しさ、妻への依存から来るものと推察します。むきになって説明すると、かえって猜疑心(さいぎしん)を募らせることになります。まずは、夫婦二人のゆっくりした時間を持ち、お互いの信頼関係を深める環境作りが大切でしょう。
できれば、リハビリを兼ねて一緒に外出することをお勧めします。近所への散歩や買い物など、一緒に過ごすことでご主人の不安を解消することが大切です。気分転換に遠出をするのもいいでしょう。
ところで、介護保険は利用していますか。一人で抱え込んでいませんか。デイサービスを利用することで、ご主人は心身がリフレシュできますし、その間に奥様は用事を済ませることができます。慌ただしい生活は、夫婦関係にも良くありません。
また、疎遠になっている友人との交流や趣味の仲間づくりを支援してみてはいかがでしょうか。ご主人が自分の時間を楽しめるようになれば、自信を取り戻し、奥様への干渉も少なくなるはずです。
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| ★かつてのように生活共有 |
(熊本市・デイサービスセンターえづ小規模多機能型居宅管理者の中村浩介さん) |
もし、ご主人の立場になったらと想像してみます。社会のことを知る手段はテレビなどのメディアか妻だけ。会話ができる妻は、何にも代え難い存在です。そんな妻がいなくなった。「どこでどうしているだろう」「事故にでも遭ったのでは」。高じて「ひょっとして、自分以外の男と…。そういえば昨日の夜、電話が長かった」などと心配は尽きません。
もんもんとした時間を過ごした末、やっと奥様の帰宅。さ細なことまで聞かなければ気持ちが収まらないでしょう。一家の長として家族を支えてきただけに「何かあっても助けてやれない。なんとふがいない。夫として失格だ」と、苦しんでもいるのです。
こんな事例もありました。介護者の負担を減らそうと、デイサービスの回数を増やしヘルパーを入れたところ、夫は「お手伝いさんを雇い、自分をセンターに預けて、女房は浮気をしている」。
さて、どうすればいいのでしょう。少しの時間でも身近な話題で話しかける、来客者があったら本人を交えて話す、一緒に買い物に出るなど、介護する人される人ではなく、かつての二人のように生活を共有することです。さまざまなサービスを活用し、介護者は息抜きの時間を、介護される人は生活の場を、少しずつ広げていきましょう。
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◆お悩み募集◆
相談ごとを400字程度にまとめ、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を書いて、
〒860−8506 熊日文化生活部まで。
ファクス096(361)3290 メール kurashi@kumanichi.co.jp
掲載は匿名も可能です。採用分には薄謝進呈。 |
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(熊本日日新聞2006年10月24日付朝刊くらし面) |