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イラスト・空知
 夜間徘徊する認知症の夫
 認知症の夫(75)と2人で暮らしています。一番困るのは夜中。なかなか寝つかず、目を離すとはだしで外に出ていくので、車にはねられやしないかと気が気じゃありません。デイサービスを利用していますが、あっという間に夕方になり帰ってきます。どうしようもなく、夫を押さえ付けてしまう夜もあります。(主婦・63歳、山鹿市)
≪アドバイス≫

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意識障害の場合は薬も

  居心地の良い空間作りを
意識障害の場合は薬も
(熊本市・銀座通りクリニック院長、認知症の人と家族の会世話人の井形朋英さん)
 夜間の不眠や徘徊(はいかい)は、在宅介護を困難にする最も大きな症状の一つです。一人で介護する奥様は心細く大変だとお察しします。奥様の体調は大丈夫でしょうか?

 さて、文面から推測すると、ご主人の状態は二つの可能性が考えられます。何かしら本人なりの理由があって外に出ていく場合と、夜間せん妄の状態にある場合です。

 前者の場合、自分の家ではないと思って家に帰ろうとしたり、周りが静かで暗いために不安になって外へ出ていったりすることが考えられます。昼間はウトウト、夜はぐっすり眠れないというのは老化現象で、認知症の場合は顕著になります。デイサービスで居眠りが多くないか確認してみてください。それがなければ、軽い睡眠薬を処方してもらってもいいでしょう。

 また、目が覚めたときにご主人が不安にならないように隣に寝てあげたり、部屋を明るくしておいたりするのも一つの手。軽食をとったら眠るようになった人もいます。

 夜間せん妄の場合、言動がまとまらず興奮するなど、日中とは明らかに様子が違います。意識障害の一種で、脳の機能の衰えが原因です。この場合は薬が劇的に効くことがありますので、ぜひ、専門医の受診をお勧めします。
居心地の良い空間作りを
(上益城郡甲佐町グループホームせせらぎ代表の高橋恵子さん)
 夜間の徘徊(はいかい)は、介護する家族も徘徊している本人も大変つらい認知症の行動障害のひとつです。原因はさまざまですが、記憶や認知の障害のために環境に適応できず、自分になじみのある人や居場所を探し回ることが多いようです。ひと眠りした後、夢と現実を取り違えたように周囲が理解できないことを言うこともあります。

 そんな時、説得しても意味がありません。大切なのは、ご主人の生活歴の中から趣味や興味のある事がらを拾い出し、普段から対話の中に盛り込んだり、大切なものを配置したりして、本人が居心地の良い空間をつくることです。特定の人を探す場合は、その人の居場所を記した「心配いらない」という内容の手紙を用意するのもいいでしょう。

 夕暮れや夜間は穏やかな間接照明を使うことや、ラベンダーのような鎮静効果のある香りを使った足浴やマッサージなども効果的です。

 このほか、脱水などの身体症状が原因になる場合もありますが、いずれにしても完全に解消することは難しいかもしれません。家族や本人の体力的消耗を考え、専門職や主治医への相談もご検討ください。また、認知症の人や家族には、地域のみなさんの温かくさりげない支援が大きな力になることを付け加えておきます。
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掲載は匿名も可能です。採用分には薄謝進呈。
(熊本日日新聞2006年5月23日付朝刊くらし面)
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