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増える「後期」高齢者 県内全国より10年早いペース
 「前期」に比べ跳ね上がる介護・医療費 高まる予防事業の必要性
 高齢化が進む中、今後増えていくのが75歳以上の後期高齢者。県内ではすでに、65〜74歳の前期高齢者を上回っている。全国平均の10年以上も先を行く状況だ。後期高齢者の割合が増えると、福祉や医療にどう影響するのだろうか。

グラウンドゴルフをプレーする「春日友愛会」のメンバー。こうしたお年寄りが集う場を地域に増やすことが介護や医療など社会保障費を抑えることにつながる=熊本市の春日5丁目公園
 県が昨年12月に公表した推計人口調査の結果によると、10月1日現在の後期高齢者は22万6000人で、前期高齢者は21万8000人。2004年までは後期高齢者が前期高齢者を下回っていたが、05年にほぼ並び、今回調査では約8000人も上回った。

 一方、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」によると、後期高齢者が前期高齢者を上回るのは17年。県は、65歳以上が総人口に占める割合(高齢化率)が高いことから、「全国平均より7年ほど早く高齢化が進んでいる」と言われるが、後期高齢者の占める割合は、全国平均の10年以上先を歩んでいることになる。

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 後期高齢者と前期高齢者とでは、その健康状態が大きく異なる。県内の要介護・要支援認定者の割合は昨年9月末現在、前期高齢者は4・6%だが、後期高齢者では30・9%に跳ね上がる。後期高齢者の方が重度者の割合は高く、介護費用も膨らむ。

 さらに、認知症高齢者の割合も年齢とともに高くなる。厚生労働省の資料によると、65〜69歳が1・9%、70〜74歳が4・5%なのに対し、75歳以上は18・0%。

 「新予防給付や介護予防事業の実態調査から効果的な手法を把握し、県全体に広めていく」と県高齢者支援総室。認知症についても「かかりつけ医を対象にした早期発見のための研修を継続するとともに、正しい知識を学び実践する認知症サポーターを5年間で1万5000人養成する計画。認知症高齢者を支える地域づくりを進めていく」と話す。

     ◇     ◇

 医療費も大きな開きがある。県国民健康保険団体連合会のまとめによると、国保加入者の昨年5月の1人当たり医療費は前期高齢者が4万1000円で、後期高齢者が7万8000円。2年前に比べ前期高齢者が6・7%伸びたのに対し、後期高齢者は19・0%も伸びていた。

 疾病を比較すると、生活習慣病に当たる「その他の心疾患」「虚血性心疾患」「脳こうそく」の受診者の割合は、いずれも後期高齢者が前期高齢者より2倍ほど高かった。同連合会事業課は「高額医療費が長期にわたり必要になる生活習慣病の予防が肝心。医療費データの分析を生かし、市町村と連携しながらターゲットを絞った健康づくりを強化したい」。

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 後期高齢者を対象にした新しい医療制度が08年度に創設される。県内では、制度運営のための広域連合を2月1日に全市町村で設置。財源は、国・県・市町村が負担する公費50%、74歳以下が加入する公的医療保険の支援金40%、後期高齢者の保険料10%―で構成する。

 保険料は、各広域連合が2年ごとに必要な医療費を見込んで、独自に設定。後期高齢者の伸び自体は直接保険料に影響しないが、財政規模が膨らめば公費負担は増える。また、1人当たり医療費が増えれば、保険料にも跳ね返る。

 高齢者の外来診療については、一部でサロン化しているという指摘があり、後期高齢者の診療報酬の定額制の導入が検討されている。県医療政策総室は「医療費の適正化だけでなく、病院や診療所に代わるお年寄りが集う場を、それぞれの地域で、いかに提供できるかが重要になる」と話す。(田川里美)

 (熊本日日新聞2007年1月23日付朝刊)
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