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| 後期高齢者医療制度 4月スタート 窓口負担割合変わる人も |
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七十五歳以上の人が加入する新しい医療保険「後期高齢者医療制度」が四月から始まる。お年寄りを対象とした制度だが、仕組みは非常に複雑。収入や家族構成によって窓口での本人負担の割合が従来の一割から三割に増えたり、三割から一割に減ったりすることもある。負担増を緩和するための二年間の経過措置もあるので上手に利用したい。主な変更点を紹介する。(梅野智博)
国民健康保険(国保)や共済組合などに入っている人も、七十五歳の誕生日当日から「後期高齢者医療」に移ることになる。国保は市町村が運営しているが、新制度は「県後期高齢者医療広域連合」(熊本市健軍)が県単位で運営する。市町村は窓口業務を担当する。
■1人に1枚
三月中に新しい保険証(被保険者証)が高齢者一人に一枚ずつ送られてくる。これまでは病院や医院で受診する際は、保険証と老人医療受給者証が必要だったが、新制度では新しい保険証だけでいい。
保険証は薄い青色の紙製で、大きさはテレホンカードほど。表に氏名や窓口負担の割合が「一割」「三割」と明記されている。だが、文字が小さく、高齢者には見えにくい。保険料は、世帯単位で支払っていた国保とは違い、加入者一人一人が所得に応じて支払う。これまでは家族の扶養に入っていた人も四月から保険料を徴収される。年額十八万円以上の年金を受け取っている人は、年金から天引きされる。
■世帯新たに
新制度になると、窓口での本人負担の割合が現在より増えたり減ったりする人が出てくる。負担割合を決める「現役並み所得者」の判定基準が一部変わるためだ。現在の老人保健制度では、家族のうち「七十歳以上」の高齢者を一つの世帯ととらえている。しかし、新制度では「七十五歳以上」の世帯が新たに設けられるため、世帯が細分化される。
「現役並み所得者」として三割を本人負担するのは、二人以上の世帯では年収五百二十万円以上、単身世帯では同三百八十三万円以上だ。
県連合によると、年収三百九十万円の夫(76)と、年収百二十万円の妻(73)の世帯では、現在の制度では合計年収が五百十万円で、夫婦二人とも一割負担だ。しかし、新制度では別々の単身世帯とみなされ、夫の負担割合は三割に増える。
一方、夫(76)と妻(73)の年収がそれぞれ三百万円の夫婦では、現在は合計年収が六百万円で夫婦とも三割負担だが、新制度では二つの単身世帯に分かれるため負担割合は二人とも一割に減る。
新制度は四月にスタートするが、負担割合の変更は前年度の年収を確認する必要があり、八月からになる。それまでは、従来の負担割合が適用される。変更の対象者には七月中に新しい保険証が送られてくる。
県連合は「高額療養費の自己負担限度額を二〇一〇年七月まで従来と同額の月額四万四千四百円に据え置くなどの緩和策もあるので、県連合や市町村の窓口に相談してほしい」と話している。
●高額療養費 医療、介護費合算へ
高額になった医療費の一部が返ってくる高額療養費制度や、あんま治療などへの助成金の仕組みも変更になる。
市町村が運営する国民健康保険(国保)などでは独自の保健事業として人間ドックやあんま治療などに助成金を支給している。例えば熊本市の国保は針や灸(きゅう)、あんま治療に対して一回につき千五百円を助成している。
しかし、七十五歳以上の高齢者は四月から国保を離れて「後期高齢者医療」に移ることになる。「後期高齢者医療」ではあんま治療への助成制度はなく、今まで受けていた助成金がもらえなくなる人も出てくる。多くの市町村が、国保の助成事業を自治体の予算で引き継ぐか検討中という。
一定の限度額を超えた医療費が返ってくる「高額療養費」の制度も変わる。現在は医療費と介護費は別々に計算しているが、四月からは合算できる仕組みが追加される。
合算制度では、八月から翌年七月までの一年間に支払った医療と介護の自己負担額を合算し、所得に応じた限度額を超えた金額が加入している医療保険などから支給される。
限度額は、現役並み所得者が年額六十七万円、一般の高齢者は五十六万円、低所得者は三十一万円と十九万円の二種類がある。県後期高齢者医療広域連合は「これまでは高額療養費の対象にならなかった人でも、介護と医療の合算で新たに支給対象になる人も出てくるだろう。領収書などは捨てずに保管してほしい」と呼び掛けている。
一方で、高額療養費の支給額が減るケースもある。例えば、同じ国保に加入していた夫婦でも、七十五歳以上の夫は「後期高齢者医療」に移り、七十四歳以下の妻は国保に残る。高額療養費は医療保険ごとに計算するので、夫婦で支払った医療費は合計できなくなる。一定の限度額を超えず、支給対象から外れることもあり得る。
(熊本日日新聞2008年3月1日付朝刊)
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