3大生活習慣病やこころ、こどもの病気など、最新治療法や先端医療の現状をお伝えします。
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むずむず脚症候群(RLS) 睡眠障害から生活に支障も
睡眠障害の一つに、「むずむず脚症候群(レストレスレグス・シンドローム、RLS)」と呼ばれる病気がある。夜、床に就いて眠ろうとすると、下半身を中心にむずむず感などが起こり、眠れなくなってしまう。高齢者に多いが、病名が知られていないため、適切な治療を受けていない患者も少なくない。
むずむず脚症候群
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夜間入眠時や中途覚せい時に下肢を中心にむずむず感、ひりひり感、虫がはうような感じなどの不快な異常感覚が起こり、足を動かさずにはいられない状態となるため入眠障害や中途覚せいを呈する。
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有病率は1〜3%、高齢者に多い。
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60〜80%に周期性四肢運動障害が合併する。
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血清鉄やフェリチンの低下を認める(高齢者)。
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透析、鉄欠乏性貧血、妊娠中に多くみられる。
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治療はクロナゼパム、ドパミン製剤のレボドパ、ドパミンアゴニストのペルゴライド、タリペキソール、ブロモクリプチンを用いる。
国内初の睡眠障害の専門外来を開いた久留米大病院(久留米市)の内村直尚・精神神経科助教授は言う。「この病気は、十七世紀に英国人の医師が論文を発表しているくらい古いが、患者を含め世間にはほとんど知られていない。一般の人が最も受診する内科医も知らない人が多い」
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妊婦や透析患者にも
内村助教授によると、日本人の有病率は1%〜3%で六十五歳以上の高齢者に目立つ。山陽新幹線の居眠り運転事故で注目された睡眠時無呼吸症候群(SAS)との合併患者も少なくない。
特徴は、就床時や中途覚せい時の異常知覚。下肢に「虫がはっているような」「ピンでなぞられているような」感じがして、眠れなくなったり、中途で目覚めたりする。
足などを動かすと、むずむず感が消えたり、軽くなるため、患者はこの動作を頻繁に繰り返し眠れなくなってしまう。結果、睡眠時間が短く、浅くなって生活の質が低下、仕事にも支障を来す。
この病気は、人工透析患者でも三人に一人、妊婦でも五人に一人の高率で現れる。鉄欠乏性貧血の若い女性にも多いという。「夜に眠れないので、交感神経が刺激され、血圧や血糖が上がり太りやすくなる。妊婦の場合、放置すると精神的にも不安定になり、母体や胎児に悪影響を与える」と内村助教授。ただ産婦人科医の間でも、この病気の認知度は低いという。
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治療は薬物投与
「RLSは、ゆっくり進行する場合と急速に進行する場合があり、重症度の判断が大切」と内村助教授。知覚異常に伴う苦痛や不快感、入眠困難の程度、中途覚せいの頻度、昼間の機能低下を考慮して、症状の度合いを判定する。一週間に三回以上、症状が出現すると重症だ。
診断は、まず血液検査で基礎疾患の有無を調べる。この際、血清フェリチン濃度の測定が重要だ。終夜睡眠ポリグラフ検査は診断に有用だが、患者本人の訴えや、モニターを使った睡眠中の容体観察を優先する。
根治療法は現時点ではなく、症状と睡眠障害への対症療法で薬物を使う以外にない。内村助教授は「RLSの適応薬はまだ日本では承認されていないため、軽症や中等症の患者にはベンゾジアゼピン系の抗てんかん薬、重症者にはパーキンソン病に用いるドパミン製剤や抗ドパミン薬の投与が一般的」と話す。現在、久留米大病院では適応薬の承認を目指した新薬の臨床試験中だが、「明らかな改善効果がみられる」(内村助教授)という。
RLSと間違えやすいのが、周期性四肢運動障害と呼ばれる睡眠関連障害。夜の睡眠中、足の筋肉に起こる周期性のけいれん運動で、目覚めやすくなる。RLSの60%〜80%に現れ、翌朝起きる時に脚がだるく感じるのが特徴だ。治療にはRLSと同様、ベンゾジアゼピン系の抗てんかん薬やドパミン製剤、抗ドパミン薬を使う。
「睡眠障害は生活の質を著しく落とすばかりでなく、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の引き金になる。最近どうも眠れなくなったと思ったら、早く専門医を受診してほしい」。内村助教授はアドバイスしている。
(熊本日日新聞2005年8月3日付夕刊メディカル)
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