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患者サービス「覆面調査」 熊本市の5病院「看護を考える会」
 医療機関が患者に選ばれる時代ともいわれる中、医療機関にとってはスタッフの患者への接し方も大切なポイント。熊本市西部の5つの病院の看護師らが合同で学ぶ「明日の看護を考える会」は、患者サービスを高めようと、職員の接遇向上に取り組んでいる。本年度は各病院の接遇の実態を“お忍び”でチェックする「覆面調査」を実施。改善が必要な点を指摘し合うなど、意欲的な活動を続けている。

「覆面調査」の結果が報告された「明日の看護を考える会」の例会=熊本市
 同会メンバーは、福田病院、青磁野リハビリテーション病院、田中病院、熊本泌尿器科、慶徳加来病院の看護師ら。看護師の連携を深め、地域医療をレベルアップしようと、1992(平成4)年11月に結成した。看護業務の効率化やリスクマネジメントなど、時代にマッチした年間テーマを設定。2カ月ごと研究発表や外部講師による合同の研修会を開いてきた。

 「医師に比べ、看護師同士の連携は少ない。お互いに遠慮なく言い合える関係をつくり、情報交換していくのが狙い」と青磁野リハビリテーション病院看護部長の笹井テルヨ同会事務局長は話す。

 接遇研修は昨年度から取り組み、本年度の目玉が“ミステリーペイシェント”と呼ばれる「覆面調査」。人材育成コンサルタントの高木奈穂さん(熊本市)がアドバイスした。

 調査は5〜6月、7〜8月の2回実施。勤務先以外の四病院を各病院には顔の知られていない看護師が2人1組で、患者や家族のふりをして訪れる。調査期間は各病院に伝えてあるが、詳しい日時は分からず、半ば“抜き打ち”だ。

 チェック内容は、職員の表情、身だしなみ、あいさつ、態度・動作、言葉遣い、サービスマインド、院内演出力、メンテナンスの8分野・40項目にわたり、5段階評価で行った。

 このほど青磁野リハビリテーション病院であった例会では、看護師ら約100人を前に、各病院へ結果が報告された。

 例えば、ある病院は「いつでも声をかけやすいような雰囲気がない、笑顔がなく無愛想、職員からあいさつがない」と評価を受け、「病院で独自に行っている患者アンケートと、各病院からの評価が同じだった。真剣に改善に取り組みたい」と気を引き締めた。

 「身だしなみ、あいさつ、言葉遣いで、個人差が明らかになり残念」という病院もあった。

 各病院は「自分たちのマンネリ化した部分を見つめ直す良い機会になった」と受け止め、早速改善策も発表した。「身だしなみの専用チェック表を設けて確認し合う」「名札を大きく見やすい字体に変えた」「接遇の強化月間を設け、標語をつくった」「調査結果を職員全体に報告し、職員が常に言葉遣いや表情などを意識するようになった」という。

 高木さんは「信頼関係があるからこそ、厳しく評価できたようだ。時間帯や曜日、個人で接遇にばらつきがみられることもあり、原因を分析して、今後の対策を練ってほしい」と講評。

 さらに「ほかの病院に覆面調査を勧めても、断られることも多い。これだけ地域一丸となって看護師が取り組む例は珍しく、医療に対する勉学心や向上心が高い」と評価した。

 笹井事務局長は「看護師だけでなく、全職員を巻き込んで、意識が高まったようだ。ほかの病院のアイデアを参考することもできた。今後は病院全体で改善に取り組む必要がある」と話している。(高本文明)

 (熊本日日新聞2004年12月1日付朝刊くらし面)

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