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遺伝子検査にガイドライン 制度管理は国レベルで
 日本人類遺伝学会など遺伝医学に関連する十の学会が、遺伝病の発症や保因者を判定する遺伝子検査のガイドラインを作成した。

 日本衛生検査所協会によると、こうした検査は、年に四万件以上実施されているという。ガイドラインは、インフォームドコンセント(十分な説明と同意)や個人の遺伝学的情報の保護などを重視し、検査の妥当性や有用性などを確認するため、公的審査機関の設置を求める提言も織り込んだ。また倫理的・社会的な留意点も挙げている。

 日本人類遺伝学会は一九九五年、ガイドラインを作成するなど先行して取り組んでいた。これを受けて関係学会が共同で作成作業を進めていた。

 遺伝子検査の研究目的に関しては、国が既に指針を策定。日本衛生検査所協会も倫理指針を作成しており、全体の枠組みがそろった。

 今回のガイドラインの対象となったのは、人間の生殖細胞に関連し、遺伝子の変異や染色体異常を調べる検査。実施する際は、医療機関はカウンセリングを含めた総合的な遺伝医療体制を整えておくことが必要と指摘。検査を受けた人は、結果を知る権利と知らないでいる権利の双方を持ち、いずれも尊重されなければならないとした。

 本人の同意があれば、血縁者に結果を公開することができ、同意が得られない場合でも、血縁者に役立つ情報である場合など、倫理委員会などの判断を得て公開できる場合もあるとした。

 治療法や予防法が確立されていない病気の検査では、(1)本人が検査を希望する(2)結果が陽性の場合のこともよく考えている(3)医療機関が心理的なケアも対応できる場合に限定した。

 出生前診断は、夫婦からの希望があり、いずれかが染色体異常の保因者か、高齢妊娠などの場合に実施するとした。また検査結果の目的外使用を禁止した。

 提言は「遺伝カウンセリングを含めた総合的な遺伝医療のために、専門医や遺伝カウンセラーの養成が不可欠だ」と強調している。

 検査結果のうち染色体は、慣例的に匿名化されずに扱われているケースがあるなど、課題が残っているという。

 十学会合同倫理委員会世話人の新川詔夫・長崎大教授は「制度管理は国レベルでやった方がいい。ただ学会員をはじめ関係者がこのガイドラインを守れば、必要な遺伝学的検査がきちんと実施されるだろう」と話している。

  (熊本日日新聞2003年10月15日付夕刊)

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