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「鑑定人ネット」整備へ 医療裁判を迅速化 熊本地裁
熊本地裁(大坪丘所長)は11日、長引く裁判の象徴とされる医療過誤訴訟を迅速に進めるため、県内のベテラン医師の人脈や専門知識を活用した「鑑定人ネットワーク」を組織することを明らかにした。難航しがちな鑑定手続きの人材を地元に求め、確保しやすくするのが狙いで、10月にも運用を開始する。(渡辺哲也)
2年以内の一審判決を目指した裁判迅速化法の施行を受け、各地で専門訴訟の審理期間の短縮に取り組んでいるが、鑑定人情報のネットワーク化は九州で初めて。最高裁の統計によると、医療過誤訴訟の一審の平均審理期間は2003(平成15)年度が27・7カ月。通常の民事訴訟の8・2カ月に比べ、3倍以上もかかっている。
長期化の最大の原因は、鑑定人の確保が難航しているため。従来は、当事者が候補者を申し出て裁判所が依頼していたが、多忙を理由に断られたり、鑑定内容の専門家ではなかったりなど、1年近く適切な引き受け手が見つからないことも珍しくなかった。
専門委員制度
医療過誤や建築瑕疵(かし)など専門的な知識を要する訴訟の審理に、専門家の関与を求める制度。迅速な裁判を目指した司法制度改革に伴い、2004年4月に導入された。専門委員は裁判所の非常勤職員として、争点や証拠の整理、証拠調べなどの際、裁判官に専門分野の説明をすることができる。
このため、同地裁は民事訴訟の「専門委員制度」を活用。県内のベテラン医師を専門委員に任命し、裁判所が争点などの鑑定を依頼する際、専門委員に候補者を挙げてもらう。訴訟の当事者の意見を聴いた上で、裁判所が病院長を通じて鑑定を依頼する。
同地裁の専門委員は現在5人だが、すでに県公的病院長会から39人の推薦を受けている。同地裁は熊本大などにも呼び掛け、運用開始時に50人を超える専門委員の“頭脳”を蓄積したネットワークを完成させる予定。将来的には、九州各県の地裁に参加を呼び掛けたいとしている。
大坪所長は「被告病院と利害関係があるケースもあり、地元で鑑定人を探すには課題もあるが、選択肢が増える意味では前進だ」と話している。
(熊本日日新聞2005年7月12日付朝刊)
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