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広がるセカンドオピニオン 患者主体の治療へ助言求める
  セカンドオピニオンという言葉をよく聞くようになった。主治医だけでなく、別の医師からも意見を聞くことで、患者は治療に主体的に向き合えるようになるという。県内でもセカンドオピニオン外来を設ける病院が増えている。納得のいく治療を受けるため、その仕組みを上手に使いたい。(梅野智博)

セカンドオピニオン外来の様子を再現する国立病院機構熊本医療センターの池井聰副院長=熊本市二の丸
 熊本大付属病院(熊本市本荘)は二〇〇六年八月、がん患者を対象としたセカンドオピニオン外来を開設。三月末までに八人が利用している。

 相談に応じるのは、利用者と同じ種類のがんを治療している医師たち。受けられるのは治療ではなくアドバイスだ。同外来の責任者、佐々木治一郎がん診療センター長は「セカンドオピニオンは患者が自分で治療法を選ぶ手助けをするもの。決して転院や主治医を変えることが目的ではない。残念だが誤解している人が多い」と話す。

 セカンドオピニオンとはどんなものなのか。その成功イメージを紹介する。県南に住む自営業の男性(60)が、地元の病院で肺がんと診断された。主治医は細胞検査の結果から手術を提案。男性は一方で、知人から「肺を手術すると在宅酸素が必要になる」と言われ、怖くなった。持病の高血圧症も心配だった。

 男性は、翌週に熊本大の同外来を受診した。相談に応じた循環器内科の医師が「このがんの手術では、在宅酸素や高血圧症を心配する必要はない」と説明。国内の先端治療の具体例を紹介しながら、「手術と抗がん剤を組み合わせれば治療成績が高い」と伝えた。

 男性は、地元の主治医に、手術と抗がん剤を組み合わせた治療を頼むことにした。抗がん剤治療は長期に及ぶが、外来でも可能だという。仕事を続けながら治療し、家族と一緒に生活もできる。

 国立病院機構熊本医療センター(同市二の丸)は、がんだけでなく、ひざの痛みや糖尿病など、身近な病気の相談も受け付けている。

 費用は、一回三十分で一万五百円と高い。しかも健康保険の対象外だ。同病院の池井聰副院長は「患者の負担が大きいことは理解している。それだけに、担当の医師は少しでも満足度の高い相談にするように努力をしている」と話す。

 同病院では、かかりつけ病院の検査データや診療情報などを、相談の前に届けてもらうようにしている。事前の準備に力を入れるためだ。担当医師はそれらの資料を読み込み、患者が求める情報を集めたり、複数の医師と相談内容を検討したりする。「時間に追われる一般の外来では、そんな準備はとてもできない」と池井副院長。

 充実したセカンドオピニオンは、治療の効果を高めるという。「自分が受けている治療に納得している患者は、病気や治療にもきちんと向き合えるようになる。医療が高度化する中、セカンドオピニオンの重要性は今後も増していくだろう」。池井副院長は、そう力説した。

  (熊本日日新聞2007年4月7日朝刊掲載)
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