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個人情報保護法施行から1年 名前伏せ呼び出し 現場に変化
 県内でも個人情報保護法施行後、医療や教育の場などで、プライバシー保護を理由に、個人情報の取り扱いは慎重になってきている。

 熊本市山室の熊本機能病院では昨年9月から、窓口で患者の名前を呼ぶのをやめ、ポケットベルを患者に手渡して順番がきたら呼び出している。「医療機関では安全が最も大事。名前を呼ばれたくない患者さんもいるので」と踏み切った。

 市町村、事業所などと契約して集団健診を実施している県総合保健センター(熊本市東町)。受診者の個人データを扱う際には名前などを伏せて番号で取り扱う。個人情報を守るためだ。

 熊本大は工学部などで講義や演習の合否結果を学生名とともに掲示していたが、05年度から教務担当者や担当教員が、学生を個別に呼び出して告げる方式に変更した。

 同大医学部では臨床実習の際に患者名、病名、診療経過などが書かれた資料を学生に配布していた。しかし昨年10月、学生が資料を紛失する事故があったことなどを受け、患者名をイニシャルにしたり、実習後に資料を回収するようにした。

 県教委によると昨年度、小中学校、高校からの個人情報の取り扱いに関する問い合わせは数件程度で、中には保護者から「生徒の顔が分かる写真をPTA会報に掲載していいか」との相談があったという。

 県立図書館は「本来、公開することが想定されていない」同窓会などの名簿類について、閲覧を制限している。

 個人情報保護法で警察庁も実施機関となったため、県警も県個人情報保護条例の改正で今年四月から対象となった。所有する個人情報について、本人からの開示請求を受け付ける窓口を広報県民課に設置。しかし、実際に開示されるのは、銃砲所持など許認可や遺失・拾得物の届け出書類などに限られる。

 同法施行以前に条例を設けていた熊本県や熊本市。県は県税やパスポートなど県が所有する県民の個人情報について、本人から請求があった場合に限り「原則開示」としている。

 同市の市民課は昨年4月、条例に基づく要綱を整備。住民票や印鑑証明など各種証明書の発行で免許証などによる本人確認を厳格化した。市政情報プラザは「個人情報をより慎重に取り扱わなければならないとの職員の意識は確実に高まった」と話している。(梅野智博、野田一春、横山千尋)

 (熊本日日新聞2006年4月5日付朝刊)

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