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| クリティカル・パス 患者も共有“診療計画表” |
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入院患者の検査や手術、投薬などの診療計画を、患者に明らかにして治療を進めるクリティカル・パス。大学病院などに診療群別包括支払い制度(DPC)が導入された2003年4月以降、急速に普及している。
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| 国立病院機構熊本医療センターと財団法人医療情報システム開発センターが共同開発した「クリティカル・ライブラリー」のホームページ |
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| 「クリティカル・ライブラリー」に掲載されている患者用クリティカル・パス |
クリティカル・パスは診療計画表とも呼ばれる。1950年代に米国の工業界で開発され、医療に応用されるようになった。日本では1990年代に一部の医療機関が導入、医師によって異なる診療の標準化や根拠に基づく医療(EBM)の実践、チーム医療のアップなどに役立てた。
■排せつ時間まで
患者も治療の内容や手順、大まかな費用、退院のメドといった知りたいことが分かる。裏返すと、それまで患者は診療情報の”過疎地”に置かれていたわけだ。
クリティカル・パスは現在、全国の半数以上の病院が採用しているとされる。入院から退院までに必要な検査や投薬、手術、看護など診療日程が細かく書かれている。食事制限や排せつ時間なども盛り込まれている。
入院から退院までの流れを、医師だけでなく、患者が容易にのみ込めるため、十分な説明と同意(インフォームドコンセント)による医療や業務改善にもつながる。病院スタッフが診療情報を共有することから、スタッフ全員が診療日程を理解し患者の疑問や質問に答えやすくなる。
ただ医療知識に乏しい患者を念頭に作成しないといけないため、パス作りの際の関係者の意見調整や工夫も並大抵ではない。イラストや写真を組み入れるのは当たり前。医師も複数科にまたがるケースが多く、看護師や薬剤師、栄養士も参加する。リハビリテーションが必要なら、理学療養士の意見も欠かせない。
県内では国立病院機構熊本医療センターと済生会熊本病院(ともに熊本市)が1998年4月に導入した。このうち熊本医療センターは2003年4月、全国のクリティカル・パスの標準化を考えて財団法人医療情報システム開発センター(東京都文京区)と連携、インターネットを使った「クリティカル・ライブラリー」を開設した。厚労省も後押ししている。
■微妙な影も
しかし当時は、クリティカル・パスという概念が十分浸透していなかったこともあり、本来の目的が達成されたとは言い難い。それでも比較的大規模な病院で採用された。現在、全国25病院の210診療項目に関する患者用のクリティカル・パスを閲覧できる。
半面、クリティカル・パスの広がりは、もろ手を挙げた歓迎にはなっていない。1日当たりの入院医療費を、検査回数や投薬量にかかわらず定額にする支払い方式DPCの普及と歩調を合わせて、急速に拡大しているのが微妙な影を落としている。
DPCは、入院1日当たりの医療費が決まっており、症例別の診療スケジュールを統一する必要がある。従来の出来高払い方式は、治療の度に診療費が増えたが、DPCはあらかじめ収入が決まっているため、検査や投薬をある程度抑えないと、経営が成り立たなくなるとされる。
勢い病院側は検査や投薬を減らし、入院日数を削る。しかし、それは本来必要な入院日数のみならず、検査や投薬をも省く“過少診療”にもなりかねない。
クリティカル・ライブラリーのアドレスはhttp://epath.medis.jp/
(熊本日日新聞2006年12月27日付「夕刊メディカル」) |
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