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「犠牲者
、
二度と出ないで」と両親
熊本大医学部生の飲酒死亡訴訟
「この判決で、二度と犠牲者が出ない社会に」―。熊本大医学部漕艇(そうてい)部の歓迎会後に起きた死亡事故。14日の福岡高裁判決は、重度に酩酊(めいてい)した吉田拓郎さん=当時(20)=の保護を怠った上級生らの責任を初めて認めた。事故から7年半。両親の願いが、ようやくかなった。
逆転勝訴の判決後、吉田拓郎さんの遺影を抱え、報道陣の質問に答える両親=14日、福岡高裁
拓郎さんの父安幸さんと母絹代さんは、原告席で判決に臨んだ。いつもと同じ黒い喪服姿。法廷で二人は目をつぶり、安幸さんが遺影を抱いた絹代さんの手を握り締めた。
「原判決を変更する」。西理裁判長は主文を告げた後、両親に「長い判決文だが、目を通して全容をつかみ、お気持ちを整理されて新たな人生を踏み出されることを願う」と諭した。
「市民の感覚に配慮していただいた温かい判決だった」と安幸さん。絹代さんの目からは涙があふれた。
約7年に及んだ裁判は両親にとって、身を切り刻まれるようなつらい日々だった。遺族と被告側で死因をめぐり、激しく主張が対立。被告側はアルコールとは無関係の「急性膵(すい)炎説」を主張するなど過失を真っ向から否定してきた。
閉廷後、報道陣に囲まれた両親は「やっと息子の名誉を回復できた。被告は今日の法廷に一人も来ておらず、最後まで誠意のかけらもない。一日も早く責任を認めて謝罪してほしい」と訴えた。(渡辺哲也)
(熊本日日新聞2006年11月15日付朝刊)
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