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「安全確保怠った」 教授らに過失認める 福岡高裁判決
熊本大医学部生の飲酒死亡訴訟
1999(平成11)年に熊本大医学部漕艇(そうてい)部の新入生歓迎会で、飲酒後に死亡した吉田拓郎さん=当時(20)=の両親が、当時漕艇部長だった山本哲郎教授(現医学部長)や上級生らに損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は14日、「生命の安全確保を怠った」などとして、一転して教授らの過失を一部認めた。
賠償認容額は、約1億5000万円の請求に対し、山本教授ら8人について約1300万円。
判決理由で西理(にし・おさむ)裁判長は「二次会で上級生による酒の強要はなかったが、拓郎さんはかなり短時間で多量のアルコールを摂取し、高度に酩酊(めいてい)していた」と認定。その上で二次会途中で一部の上級生が、拓郎さんを介抱者がいないアパートに運び込み、医療機関に搬送しなかった点について「生命身体の安全確保の観点から問題があった」と安全配慮義務違反を認めた。
また、教授と当時の主将についても「歓迎会に最終、最高の責任を負うべき立場。イッキ飲みの禁止など酒の飲み方に関する学生への注意が不徹底で、責任の一半を免れない」と指摘した。
2004年12月の熊本地裁判決は、拓郎さんの死亡と飲酒の因果関係を否定して両親の訴えを退けたが、福岡高裁は「アルコールが相応の影響を及ぼしたと考えるのが自然」と判断。一方で「拓郎さんの飲み方も自ら度を越していた」として9割の過失を相殺した。
判決によると、拓郎さんは99年6月、熊本市内で開かれた歓迎会に参加。二次会の居酒屋で焼酎などを飲んで酩酊状態になり、上級生らが別の1年生部員のアパートに運び込んで寝かせたが、翌朝死亡した。
拓郎さんの死亡をめぐっては、両親が99年12月に教授ら19人を民事で提訴する一方、傷害致死罪などで刑事告訴したが、熊本地検は02年に全員を嫌疑不十分で不起訴にしている。
(熊本日日新聞2006年11月15日付朝刊)
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