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症例の数は? 医療事故は? 治療方法は?…病院選びは賢く
病院をどう選ぶかは患者の自己責任ともいわれる。このほど熊本市で、日本病院管理学会学術総会の市民公開講座「かしこい病院の選び方」が開かれた。医療問題に詳しい専門家ら4氏が、「医療機関はもっと情報を開示して」「患者側も学ぶ姿勢が大切」などと意見を交換。約1100人の市民が熱心に聞き入った。
「かしこい病院の選び方」をテーマに意見を出し合うパネリストら=熊本市民会館
ささえあい医療人権センターCOML
電話相談は、月〜金曜の午前9時〜午後5時、土曜は午前9時〜正午。(電)06(6314)1652。「新・医者にかかる10箇条」は、A6判、26ページ。1冊100円(送料別)。申し込みは、メールアドレスcoml@coml.gr.jpへ。
心臓病を克服する友の会
事務局・宮崎さん(電)096(355)5000
●患者も学ぶ姿勢を
NHK解説委員の飯野奈津子氏は、海外取材の体験から「米国やシンガポールなどでは、患者が納得して医師を選ぶのが当たり前の権利として根付いている」と指摘。「米国では、85歳ぐらいのおばあちゃんでさえ、『きちんと説明できない医者はこちらから願い下げだ』とはっきり言っていた。自分の体のことは自分で守るという意識をしっかり持っている」
その上で、病院選びのポイントとして「症例数の多さは医師の腕を判断する一つの目安」「住民ボランティアの参加や退院後のフォローの有無」などを列挙。「医療事故が起きる病院では、スタッフの風通しが良ければ起きなかったケースがほとんど。看護師が副院長を務める病院は、院内の連携がとれていると思う」と独自の目安も示した。
県内の心臓病患者らでつくる「心臓病を克服する友の会」の原田勝男会長は「患者会に入れば、同じ病気を抱える者同士、初めて会った瞬間から打ち解け合える」と、つらい体験や悩みを共有できる患者会の良さを話した。
対応できる医療機関や最新の治療についての情報が得られることから、「情報収集の場として一番いい」と飯野氏も支持した。
●消費者の視点必要
NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML」(大阪市)の辻本好子代表は「医療者が患者と一緒に歩んでくれるかが大事」と信頼関係づくりの大切さを主張。2年前に乳がんの手術を受け、最近受診した経験を紹介。「3時間待ちの診察でも、医師がきちんと説明してくれたら、長時間待った不満は解消した」などと話した。
COMLは、年間約4000件の電話相談を受け付けるほか、昨年10月には大阪医療センター内に「患者情報室」を開設した。患者が自分の病気や治療方法を学べる書籍やパソコンを設置。患者の体験談などを編集し、患者の視点から情報提供を行っている。
患者も“賢い消費者”として、意識改革が必要という。「体に負担があり高額な最新の医療を受けるか、一般的な医療で楽しく過ごすか―。治療法を決めるのは自分自身。患者は自覚症状や病歴など、自分しか分からない情報を医療者にきちんと伝える努力が必要。自分たちが暮らす地域の医療を育てていくという意識を持ってほしい」と力を込めた。
受診のコツとして、「伝えたいことはメモして準備」「納得できないときは何度でも質問を」など、COMLが作成に携わった「新・医者にかかる10箇条」も紹介した。
●進めたい情報公開
医療裁判を30年手がけてきた加藤良夫弁護士(名古屋市)は、「医療機関を賢く選ぶには、選べるだけの情報提供が必要。最も大切なことは、各医療機関が治療成績や医療事故など、医療の質に関するすべての情報を正しく分かりやすく公開すること」と医療側に注文。
「患者が何を求めているのかを丁寧に引き出すことは医師の問診義務であり、プロとして当然の役目。医学教育でも充実させる必要がある」と強調した。さらに、病院の質を評価する仕組みや、被害者支援などを行う「医療被害防止・救済システムの実現をめざす会」(仮称)を設立したいと訴えた。
4氏の意見を踏まえ、同学術総会長の須古博信・済生会熊本病院長は「さまざまな医療改革の波が押し寄せる中、医療機関は、患者にとって分かりやすい医療を提供していかなければならない」と締めくくった。(高本文明)
(熊本日日新聞2004年11月17日付朝刊くらし面)
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