3大生活習慣病やこころ、こどもの病気など、最新治療法や先端医療の現状をお伝えします。
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大人のにきび
皮脂分泌の増加で炎症に まめに洗顔専門医受診を
長野博章医師
(熊本市)
このコーナーでは読者からの質問も随時受け付けています。今回は八代郡の女性派遣社員(44)から大人のにきびについて質問がありました。回答は長野博章医師(熊本市)です。
Q 一年ほど前からほほを中心に大きなにきびができ、治ったかと思うと別の所にできます。にきびに効くと言われるハトムギやアロエなどを試していますが、いっこうによくなりません。
A にきびは、毛包脂腺[もうほうしせん]という皮膚の脂(皮脂)を作る部分の腫大、活発化と炎症から起こる症状です。「にきび年齢」と言われる十二歳ごろから二十歳代後半まで見られ、いわゆる「思春期」のころに特にひどくなり、大きなストレスを生じることにもなります。炎症が強い場合は瘢痕[はんこん]として残ることもあり、そうなるとなかなか良い治療法もありません。
にきびができるには、主に(1)男性ホルモンによる皮脂腺の発達肥大、皮脂分泌の増加(2)毛口部が硬く角化し、内腔が狭くなり、増えた皮脂がたまって袋のように膨らみ面皰[めんぽう]となる(3)皮脂の増加とともに「にきび菌」という細菌が増え、特殊な活性物質を産生し、炎症を起こす、などの要素があります。
にきびに対しての注意点としては、▽無理につぶしたり、引っかいたりしない▽洗顔、入浴などのスキンケアを小まめにする▽精神的安定と睡眠▽食事を注意し、便秘をしない▽髪の毛を清潔にして顔にかからないようにする▽化粧品の使用に注意する、などがあります。
洗顔はぬるま湯で石けんを使い、一日数回行った方がいいでしょう。ぬるま湯と石けんで毛口につまった脂肪が軟化し、外に流出しやすくなります。入浴の時も同じです。化粧品で毛口をふさぐことは良くありません。
対策として、化粧品の種類の制限、化粧品をつけている時間を極力短くするということがあります。油脂成分の多いファンデーション、コールドクリーム、白粉などは控えてローションや乳液などのさらっとしたものを使用してください。帰宅後はなるべく早く洗顔し化粧を落とすなどの注意が必要です。
それでも収まらない場合は治療の必要があります。治療の基本は、抗生物質、ビタミン剤、漢方薬などの内服、抗菌作用の外用剤などです。また、健康保険の適用外ですが、特殊な酸性の薬剤を使用し、古い角質の除去や皮膚の再生を促す効果があるとされるケミカルピーリングも非常に有効な治療法として最近注目されています。
内臓疾患や薬剤、食物などの影響でにきび様の発しんができることがあります。ご相談の女性は四十四歳という年齢でもあり、残念ながらハトムギやアロエはにきびに対しそれほど有効な治療ではありません。一度、皮膚科専門医を受診してみてください。(皮膚科医)
(熊本日日新聞2008年8月22日付朝刊)
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