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夜間頻尿 
加齢で膀胱容量が低下 排尿日誌、治療に提示を
前原昭仁医師
(山鹿市)
 朝までぐっすり眠っていたのに、年齢を重ねるにつれ、夜中に何度もトイレに起きる。そんな症状に悩んでいる人は多いようです。今回は、夜間の頻尿が起きる仕組みについて、前原昭仁医師(山鹿市)に聞きました。

 夜間頻尿は、多くの高齢者を悩ます代表的な排尿障害です。尿失禁と共に生活の質(QOL)の大きな妨げになっています。夜三回以上トイレに起きる人は、六十歳代で10%、八十歳代では30%を超えます。高齢者では自然な変化として内臓機能の低下や膀胱[ぼうこう]容量の低下などが起こり、夜間の尿量が増加したり、たくさんの尿をためることが難しくなってきます。

 加えて、睡眠が浅くなったり、排尿に関係するさまざまな疾患を合併していることも多くあります。水分や塩分の取りすぎ、睡眠障害、運動不足など生活習慣も夜間のトイレ回数を増やしてしまう原因になります。

 国際尿禁制学会は夜間頻尿を「夜間一回またはそれ以上排尿のために起きなければならない訴え」と定義し、成因(原因ではない)を夜間多尿と膀胱容量の低下の大きく二群に分類しています。夜間の尿量は、脳下垂体から出る抗利尿ホルモンなどの作用で一日の尿量の25〜30%に抑えられていますが、これが35%を超えると明らかに夜間多尿といえます。

 その原因として高血圧、心不全、糖尿病、カフェインなどの摂取があります。

 膀胱容量は通常三百〜四百ミリリットルですが、この容量の低下も当然、夜間の尿回数を増やす成因になります。前立腺肥大症、明らかな脳脊髄[せきずい]疾患による過活動膀胱、慢性炎症による膀胱萎縮[いしゅく]、膀胱収縮力低下による残尿の存在などが原因と考えられます。

 その他、高血圧、特に早朝時の高血圧は膀胱容量の低下を引き起こすことも分かってきました。

 また睡眠物質の一つであるメラトニンが、加齢に伴って産生量が低下することが分かっています。

 メラトニンの低下は睡眠を妨げ、尿意を覚える意識の低下を招き尿意を我慢できずトイレに起きてしまうのです。その結果膀胱が大きく膨らむことがなくなり、次第に膀胱容量の限界が頭打ちになってしまうと考えられます。

 このように、夜間頻尿は複数の原因が重なって引き起こされている場合が多いといえます。年のせいだとあきらめる前に、かかりつけ医や専門医に相談されてはいかがでしょうか?その際には、現在の内服薬を持参することはもちろんですが、二〜三日分の排尿日誌(一日の排尿時間、排尿量を記載)を提示されると適切な指導、治療の手助けになると思います。(泌尿器科医)

(熊本日日新聞2008年8月1日付朝刊)

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