3大生活習慣病やこころ、こどもの病気など、最新治療法や先端医療の現状をお伝えします。
ホーム
>
読むクスリ
>
教えてドクター
>
・
肥後医育塾
・
笑顔ヘルCキャンペーン
・
メディカルネット
・
デリすぱホームドクターガイド
男性の更年期障害
ホルモン低下で抑うつに 脂肪蓄積や性欲の低下も
飯星元博医師
(熊本市)
前回は、女性の更年期障害を取り上げましたが、更年期は男性にも訪れます。あまり知られていないその症状について、飯星元博医師(熊本市)に聞きました。
男性は五十歳前後になると、加齢に伴って徐々に男性ホルモンが低下します。これによって、体の不調を訴える不定愁訴を中心としたいわゆる「男性更年期」の症状が出てきます。ただ、女性の場合ほど顕著ではありません。
その症状は、▽精神・心理症状(落胆、うつ、いら立ち、不安、神経過敏)▽身体症状(関節痛、発汗、ほてり、腹部への脂肪蓄積)▽性機能関連症状(性欲低下、勃起[ぼっき]障害)、の三つに大別されます。
診断は患者の自覚症状を詳しく問診したり、アンケート様式の質問を利用したりします。また、血液検査で性ホルモン結合グロブリン濃度(SHBG)を測定します。男性ホルモンが減少すると抑うつ症状や認知機能低下をきたすため、更年期症状のある人の中には「うつ病」の患者さんがいることもあり、その除外診断も必要となります。
治療にはホルモン補充療法、勃起障害の治療、心療内科的治療が行われます。男性ホルモンの補充療法は乳がんや前立腺がん、前立腺肥大症の病歴があれば使用することはできませんが、高齢男性には有効な治療法です。
男性ホルモンの注射やパッチ、ゲルなどの経皮吸収剤、ED(勃起障害)治療薬、抗うつ剤、八味地黄丸や牛車腎気丸などの漢方薬も処方されます。もちろん、糖尿病、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病の管理やカウンセリングを行い、ライフスタイルを改善することも必要です。
日本には約百万人を超える男性の更年期障害患者がいると予想されています。日本人に適した独自のアンケート質問様式の開発や安価な血液検査の普及が求められています。この疾患を正しく理解して早期の治療に取り組み、生活の質の向上を目指すことが必要でしょう。(泌尿器科医)
(熊本日日新聞2008年7月25日付朝刊)
※ この記事へのご意見、ご感想をお寄せください。
あて先は
iryou@kumanichi.co.jp
無断転載は禁じます。
掲載の記事、写真等の著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。
Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun
(c) 熊本日日新聞社 〒860-8506 熊本市世安町172