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特定疾患の公費助成 重症患者に対象絞り込み
 厚生労働省が、治療の難しい特定疾患に指定し、患者が支払う医療費の窓口負担を公費助成する45疾患のうち潰瘍(かいよう)性大腸炎とパーキンソン病は、助成対象を重症者などに絞り込む方針を固めた。予算の大半が医療費助成に使われ、本来目的だった治療法の研究に回らないためという。

NPO法人「熊本県難病支援ネットワーク」の相談支援センター。熊本県健康センターの一角を間借りしている=熊本市東町
 特定疾患は原因不明で、治療法が確立していない病気。厚労省は121の病気を指定し、このうち特に治療が困難かつ患者数が比較的少ない45疾患の患者の窓口負担を公費助成している。代わりに患者は治療法開発など研究のため診療データを厚労省に提供する。

 ■最初は8疾患

 助成は症状の程度と収入の多寡で7段階に分かれている。重症者と住民税非課税者は窓口負担の全額を公費で助成。それ以外は、助成の上限が入院患者は一律月額2万3100円、外来患者は一律1万1550円。病気の種類には無関係だ。

 医療費の公費助成制度は「特定疾患治療研究事業」といい、1972年4月に創設された。患者数が少なく、症例研究が進まずに治療できる医師や医療施設が限られる、治療薬の量産が難しく薬剤費が高額になるなどからだった。

 最初に指定された特定疾患はスモン、重症筋無力症、再生不良性貧血など8つ。その後、(1)希少性(患者数がおおむね5万人未満)(2)原因不明(3)効果的な治療法が未確立(4)生活に長期支障があるの4つが指定要件になった。

 この間、新たな病気が相次ぎ追加指定される半面、原因が判明するなどして指定を除外された疾患は皆無。03年度以降は追加されていない。それでも窓口負担を公費助成する対象患者は54万人を超え、公費助成費は06年度予算で240億円、研究費は20億円。

 公費助成は厚労省と都道府県の折半負担が原則だが、指定疾患数が増える半面、厚労省予算は抑制され、都道府県の肩代わりが増加。現在は事実上、厚労省4、都道府県6の割合という。熊本県も例外ではない。05年度は特定疾患45の患者9663人に15億3400万円助成し、うち62%は県の負担だった。

 ■「希少性」重視

 「医療費の公費助成が難病の治療法研究という本来目的を失い、難病患者への福祉施策になってしまっている」。厚労省健康局の中堅職員は事業の在り方に首をひねる。その一方で拘束型心筋症や線維筋痛症、胆道閉鎖症、1型糖尿病など13の病気を、特定疾患に指定してほしいという要望が出されている。

 このため厚労省は指定要件4つのうち「希少性」を重視し、5万人枠を大幅に超えている潰瘍性大腸炎とパーキンソン病を見直しの対象にする。重症者以外は原則、除外する方向で調整中だが、軽症者でも働けずに収入が少ない患者も多く、厚労省は取り扱いに苦慮している。

 潰瘍性大腸炎とパーキンソン病の患者数は45疾患の全患者数の約3割。助成予算も4分の1を超えている。厚労省によると、この2つの疾患の補助対象を重症者に絞り込むと、40億円ほど削減可能という。この削減分などを使い、特定疾患の指定要望が出ている13の病気のうち複数の病気を指定する。

 (熊本日日新聞2006年10月25日付夕刊メディカル)
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